最後に走ったのはいつだったか…? 骨折ローディのジョグ始め
答えは忘却のかなた。学生下宿の頃は時間があると走っていた。就職後しばらく続いた気がするが、テニスを始めてからは意識してランニングすることはなくなった。それがリタイア前まで続き、リタイア後はクロスバイクでペダリングの快楽を知り、ロードバイクに乗り継いでヒルクライムにはまり、9月に平地で骨折。(恥のてんまつは拙稿に書いたとおり)
ライドはオペ後9週で始めていたが、同12週でついにジョグを始めた。歳のわりに(つい先日誕生日を迎えた70代)早いと周囲には驚かれたが、あげて攻めのリハビリをしたおかげと自負している。多少の痛みにビビらず、石頭の女医とぶつかりながらも引かなかったのが奏功した。
再診のおり骨密度を測定すると、ある程度予測のうちとはいえかなり数値は低く、とくに大腿骨は骨粗鬆症レベルだった。例の女医は月1回計12回の皮下注射を勧めてきた。即1回目を受けたが、会計時に目がとび出た。前期高齢者の割引後で1万円! 事前に確認しなかった自分を責めたが後の祭り。1ヶ月後の再診では注射をキャンセルし内服薬に替えてもらう。理由を訊かれたが、今の自分に月1万円かける価値はないと返答。入院時に服用していたアルファカルシドールに加え週1回服用する錠剤を処方してもらう。処方箋に書かれた薬の名を思わず二度見してしまった。その名もアレンドロン酸錠。(いかにも効きそうな名だが、クセも強いらしく副作用リストの長いこと!)
明けて3月末にもう一度骨密度を測定するというので、「ジョグをして改善させる」と啖呵をきると、女医は鼻で笑ったが山中伸弥理論(衝撃こそが骨形成を促進する)を信じる自分は気にしない。
こうして始めたジョギングだが、長い長い休止を経た身体は走り方をすっかり忘れていた。引きずるようなよちよちジョグは3.6キロ走ってキロ当たり9分弱のスピード。ロードバイクで絞りに絞ったと自負していた身体の重かったこと! 走り終えて患部の骨に痛みのぶり返しはなかったが、皮肉なことに周囲の筋肉がバリバリになった。
思い知らされたのは、ジョグの一歩一歩が骨に与える衝撃とペダリングのそれとの目の覚めるような対比である。「ペダリングが骨形成にまったく寄与しない」ことが、理屈ではなく体感として強烈に実感された。
幸いジョギングも strava で記録がとれる。しばらくはキロ当たりのタイムが縮むのを愉しみにライドの合間にはさんでいこうと考えている。ランは冬の寒さでもライドより装備が軽くてすむのも嬉しい。