「フィットネス 3000円台のコンビニ型ジム拡大」と聞いて最初に考えたこと
これはどのような戦略に基づいた決断なのか?
まず3000円台という価格帯の導入が大きな決断だったことが窺えます。
新たな価格帯を設定する目的はいくつかありえますが、この場合「コンビニ型ジム」という新しい形態の拡大であることから、「新規顧客開拓」による「売上向上/成長戦略」が目的だったのではないかと考えます。
価格は往々にして、顧客の最も重要な購買決定基準の1つです。それは顧客セグメントを決定する要素ということでもあります。
つまり、新たな顧客セグメントをターゲットするために、新たな価格帯を導入する施策ではないかということです。
この戦略で検討すべきことは?
そうだとした場合、まず直観的に以下3点が気になります。
本当にその施策が刺さる顧客はいるのか?すなわち、3000円台にすることで新たにジムに通い始める人たちはいるのか?
いたとしても、十分な収益性をもたらしうるだけの数がいるのか?
十分な数がいたとしても、当社が競争に勝ってその顧客を十分な数獲得できるのか?簡単にマネできそうなモデルではないか?
その際、投資に見合ったリターンは得られるのか?低価格の過当競争で総崩れにならないか?
1, 2は「市場性」に関する問です。3は、「シェア」に関する問です。すなわちこれら3つで、十分な売上を稼げるのかを検討していることになります。加えて4で十分な利益を出せるかを検討しています。
とてもシンプルに考えると、このようなところが気になります。
この戦略のリスクは?
1~4もうまく行けば良いのですが、実際にはうまく行かない可能性も考えておかなくてはなりません。
リスクファクターは色々あるでしょうが、低価格帯に進出するときの典型的なリスクは、これまでの価格帯に慣れ親しんできた既存顧客が低価格帯に流れて収益性が下がらないか。あるいはサービス品質の低下を懸念して、競合他社の類似サービスに移行しないかです。
以上、ほんの数分で考えた簡単な思考ですが、ご参考になれば幸いです。
出典:「フィットネス 3000円台のコンビニ型ジムが勢力拡大」日本経済新聞 2023年1月7日
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