やさしいことはつまらぬ。難しいことは面白い。
人間の建設 著:小林秀雄 岡潔
本屋をフラフラと見ていて目に留まった著書。
岡潔さんという数学者の話に関心を持ち購入。
この著書が出たのは昭和40年。50年以上も前の対談だが、内容はとても難しい。
ドフトエフスキーやトルストイに関わる文学の話やアインシュタイン。
日本教育や無明についてなど多岐に渡る「雑談」をまとめたのが本書である。
私自身も理解できたかと言うと恐らく全体の20%も理解できていないであろう。そうした会話が50年以上も前に行われ、今尚読んで新鮮さがある著書となっている点が素晴らしいと思う。
さて、この本の中で平易ながら面白いなと思った文章が表題の文章だ。
「やさしいことはつまらぬ。難しいことは面白い」
野球でも簡単なボールを打つことが面白いかと言うと面白くない。
難しいボールを打てるようになるから面白い。
教育も同じで難しい問題を解くから面白くなるし熱中する。
難しいことが面白いのだからそういう教育をしないといけない。
ということだ。
今は何でもgoogleで調べると答えらしきものが出てくる。
ただ、それだけでは分からない問題や未知の問題などで頭を振り絞る経験が今はなかなかできない時代かもしれない。
そうした中で解けた時の爽快感は何物にも代えがたいものがある。
(情報が氾濫している世の中でそうした希少な経験を味わえるのはスポーツぐらいなのかもしれない)
こうしたことを理解して難しい問題に積極果敢に取り組むことが人生を楽しくする。そんなことを説いている(あくまでこれは多くあるテーマの1つだが)
学問でもスポーツでもビジネスでも難しいことに積極果敢に調整し、楽しく奥深い人生を歩みたいものだ。