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自尊心の奪い合いをすること、など
久々にリメイク版の感想を頂きました。
以前アクセスキーを頂きました、ありがとうございます。お礼が随分遅れてしまってすみません。
リメイク版を先程改めて見て、自分も当事者なのに知らないこともいっぱいだし、自分が思ってる気持ちと同じものもあれば、違うものもあって、何だかすごく興味深かったです!
私は教員を目指してて、上手くいけば来年の4月から現場に立つので、もし本当になることができたら、教員というか子どもを育てる側の立場から摂食障害とか精神病に関しての考えとかの映画、も作って欲しいと思います。
ありがとうございました!
最近感想が落ち着いており、監督の心は乾燥していたので…(マジでつまらん)
この方の感想のように、作品の感想だけでなく、ご自身のお話をしてくれても嬉しいです。こんな方に届いたんだなあ、というのはわたしにとっては励みになりますからね。
さて、本文中にもある通り、この方は教育現場に携わる可能性があるそうで、常々教育に携わる方の意見は聞きたいな、と思っていました。
それというのも、摂食障害はある日突然罹患するものではないこと、とはいえ発症そのものは思春期に起こりやすいこと(これも多様な要因があります)。
えっと、わかりやすく言うと摂食障害にもある種の潜伏期間のようなものがあります。
いくつかの要因が重なって発症しますから(これについてはまた改めて書きたい思います)、その要因がある「子供」は間違いなくいると思います。そういう子が大人になってから発症することも珍しくはないです。
また小児摂食障害というものもあり、これは思春期に発症するものとはまた別の病理として考えられています。
一例ですが、嚥下機能に問題があったり、消化管障害によって食事がとりにくい、という子が集団生活を営む上で、要因を重ねていくケースもあります。
実例で言うと、単に少食だったり咀嚼の遅さから食事に時間がかかる子がいるとします。そういう子が、給食で時間内に食べれないことを責められ、あまつさえ強要されて食べたくもないのに食べさせられ、それが日常になったら…自尊心を保つことが出来るでしょうか?もちろん、これらは適切なケアでなんとかなる子もいますし、それがすなわち摂食障害の原因でもありません。
これからの子供たちに何が起きるだろう?
ちなみにこれはアメリカでの例ですが、物心ついた時から、ある特定のメーカーの特定の食べ物しか食べられない、という異常な偏食をきたす場合もあります(最近は日本にもいるみたいね)。
これ、偏食だからいいじゃん!と放っておくと、栄養バランスの乱れや、場合によっては餓死(例えば災害などで食べれるものがなくなる)することもあります。食べられるものによっては、慢性疾患の強い要因になる可能性も否定できません。
これらも適切な治療を必要とする立派な"摂食障害"と言えます。ちなみに適切な治療方法も、考えられていて治療に成功する子もいます。
もちろん、最初に述べたような思春期に発症するものもあります。いじめがきっかけで発症する子もいます。複雑な人間関係に巻き込まれて発症する子もいます。
いつ、だれが、どんなタイミングで発症してしまうかは、わからないし、特にこの時期の症状は"自覚症状"が少ないのと、慢性化した場合の治療方法と異なることもわかっています。
子供が自分から「いまわたし摂食障害になりかけてるからちょっとなんとかしてくんない?」とか言う訳ないですから。これは大人でも同じですが…(初期段階は特にその症状を全力で否定します)。
こうした日々の微細な変化には、親だけでは到底気が付けないし、まして学校に通うようになれば、かなりの時間、親以外の大人と触れ合う機会が増えます。
こうした状況において、教育現場での理解が進んでいなければ、症状を悪化させてしまうようなこともあり得るでしょう(そういう話も聞いたりします)。
もちろん、よい話もあります。学校の先生のお陰で発症後もスムーズに学校生活を送れた子もいるでしょうし、そもそも「発症しなかった」という水際で守られた子もいるでしょう。
これめっちゃ大事な見方なんだけど、非当事者の人は、全員"何らかのおかげで発症に至らなかった"とか"リスク要因から守られた"とか、そういう見方をすることが大事だと思うんです。
どうして、あなたは?
発症しなかったんだろうね?????
とはいえ教育現場に出来る限界もあるわけや
ところがですね、教育現場というのは中々大変です。関わる生徒も多いし、仕事は激務。
そんな中で、小さないくつかのサインをすべて拾い上げることは難しいし、ときにその反応に対して「冷静さを持って対応」することが難しいこともあります。
ですから子供たちを守っていくには、さまざまな業種や専門家、学校以外の場所での人との関わり、コミュニティとのつながり、など、めっちゃいろんな力が必要になります。
シンプルに考えて、子供が家庭以外の場所で自尊心を築く最初のスタート地点になりやすい「学校」で、築けなかったら他でなんとかするしかないですしね。
また現在の「学校」では競争するケースがどうしても多いので、競争に勝った人が自尊心を築きやすく、負けた人は築きにくいという、自尊心の奪い合いみたいなことが起きやすいのです。自尊心の奪い合いってパワーワードねww マウンティングの取り合い!!
誰かの承認欲求は、誰かの犠牲の上に成り立っている。なんて残酷なシステム!!
これらの問題に対して、何ができるかという話になると、ちょっと待ったそれ以前に、情報が少なくて何にもわかりませんワハハハ、なのです。問題を見誤ってる可能性もありますしね。
そういう訳で、なるべく多くの人に見てもらいたいのですが、最近では学校関係者や医療関係者の方に見てもらいたい気持ちが芽生えています(そんなこともあってリメイク版は見やすくしました)。
どんな問題を包括しているか、ということをもっと冷静に見つめていかないと、これからの子供たちが置かれる状況にアンテナを立てられなくなりそうだから。なるべく、たくさんの、声を。