有力株の保有を考える(2)
前回は、京成電鉄が保有しているOLC株についてテーマにしました。京成電鉄株主の投資ファンドから保有分の一定割合を売却するよう求められていることについて、その影響の一端を考えてみました。今回も引き続き考えてみます。
それにしても、東京ディズニーランド開発が始まった当時、多くの人が成功を疑問視していたとも言われる中で、積極的に投資した京成電鉄の経営者の先見の明と実行力には驚かされます。
4月27日の日経新聞記事「OLC、今期最高益 2期連続見通し 新エリア開業で」から抜粋してみます。
TDRについては、京成電鉄の当時の川崎千春社長が、1961年に米国のディズニーランドを訪問し、日本への誘致に向けて動いたと言われています。米国以外で建設された最初のディズニー・パークとなりました。
ずいぶん前なのでうろ覚えな記憶ですが、何かの書籍でディズニーランド開発当時の話を読んだことがあります。「黒船に乗ってやってくる、よくわからないねずみの遊園地など、日本で流行るわけがない」と、多くの人の異論や反対にあったと書いてあったように記憶しています。(不正確な記憶かもしれません。ご了承ください)
当時日本でレジャー施設に遊びに行くときは、弁当を持って出かけるのが一般的でした。私も小さい頃に親に動物園に連れて行ってもらったときは、家からおにぎりなどを持っていって、レジャーシートを敷いて食べていた記憶があります。それが、家族連れなどでレジャー施設に遊びに行くときの一般的な楽しみ方だったわけです。
しかしながら、TDRでは飲食物の持ち込みは原則禁止です。今ではピクニックエリアと呼ばれる特定のエリアでのみ持ち込みのサンドイッチなどを食べることができるそうですが、生成AIのCopilotの下記回答によると、開業当初には存在しなかったと想定されます。
これは想像ですが、全面的に飲食物持ち込みNGで始めたものの、日本人の一般的なレジャー施設の利用のしかたなどを踏まえて、一定の条件下で許容したのではないかと思います。
必ずパークの中にあるレストランで外食をしなければならないという、飲食物の考え方ひとつをとっても、当時の日本での一般的なレジャー施設での慣習とは違ったわけです。日本では成功しないのではないかと言われた要因の中の一例でしょう。
上記うろ覚えの書籍での記憶ですが、日本人にとってのレジャー施設利用方法の概念を変えて、レジャー施設の中で飲食するという慣習に変わっていったのは、東京ディズニーランドが大きな引き金になったそうです。
前回の投稿で情報整理してみましたが、京成電鉄がOLC株を保有しているだけで年間100億円単位の真水の利益が入ってくるわけです。
今京成電鉄が保有している株数を持とうとすると、約3億4550万株×4,330円で約1兆5000億円かかります。京成電鉄の現在保有する資産合計は約9656億円、現預金は約346円です。1兆5000億円といったような投資金額は、今から準備できるものではありません。
世の中に大きな付加価値を生み出すであろうイノベーションの種を見出して、それに投資するということが、結果としていかに大きなリターンをもたらすかということを、思い起こさせてくれる事例だと思います。
<まとめ>
有力なイノベーションの種に投資すると、リターンが大きい。