見出し画像

「迷った時にすぐに選ぶ」が難しかった

8月から、毎週水曜日早朝に仲間と共に約1時間で行う、一週間の振り返り会に参加しています。仕事や仕事外、個人的なことも含めて一週間の活動内容を各人が振り返り、相互にフォードバックを与えあうものです。先日の投稿でもテーマにしました。ここでは、今週の振り返り会で印象に残った内容をテーマに考えてみます。

私が先週一週間で特に意識して実行することにした行動目標の中に、「迷ったら価格が高いほうをすぐに選ぶ」がありました。これは、ある方から、その人の行動基準として採用している内容だというのをお聞きして、取り入れてみたいと思ったことです。

その行動目標には、2つの意味がありました。それは、どっちでもいいことにはこだわらず時間を使わないようにすること、そして、迷う場合は質の高い(であろう)ほうを選ぶようにしようということです。

しかしながら、仕事内外に関していくつか設定した行動目標のうち、この目標だけ達成できませんでした。(他の行動目標は○か△だが、この行動目標のみ×)

そのことが典型的に表れた場面が、週末のスーパーでの買い物でした。

妻が数日間出張だったため、その間は私が買い物・食事の手配をしたのですが、後で振り返ってみたら、「買い物で迷う。迷ったら、時間をかけたうえで安いほうを選ぶ」になってしまっていたのです。

肉は、牛肉か豚肉か。米国産、オーストラリア産、日本産。豚のほうがやはり安い。100グラム当たりオーストラリア産は何円。。しかし、豚はより加熱が必要で、妻からは鍋を焦がさないように言われている中で焦がすリスクが。。いろいろなことを考えて、結局最も安い産地の豚肉を買ったわけです。

そのことに気付いたのは、今週水曜日の振り返り会で使う簡単なシートを火曜日に作成していた時でした。

些細なことかもしれませんが、このことが自分にとってはとても印象的な出来事となって、3つの点で振り返った次第です。ひとつは、人の思考のクセや習慣を変えるのは難しいということです。

改めて振り返ってみると、私は迷ったら安いほうを選ぶという習慣が、長年にわたって身についているのだと思います。

同振り返り会に参加している以上、いい報告をしたいので、設定した行動目標は野ざらしにしたくないし、常に行動に移そうというつもりがあります。それでも、上記買い物のような場面にとっさに出くわした際には、これまで蓄積された行動習慣が発動されてしまい、頭の中から飛んでいってしまうわけです。

行動を繰り返す。できていたかどうか振り返り、行動の必要性を再認識してまた行動に反映させる。日々の歯磨きぐらい無意識に取り組むよう行動習慣化する、あるいは既存の行動習慣を塗り替えるには、試行数を増やしていくしかないのだと思います。

「リーダーがメンバーに何かを伝えて、行動変容してもらおうとするなら、最低でも同じことを10回は言う必要がある。10回言って少しわかる程度。1回言ったぐらいでは行動変容どころか理解すらされない」のようなことを、各所で聞くことがあります。自分の行動習慣を変えることが難しいわけです。ましてや、組織の行動習慣や文化を変えることは、なおさら難しく、一層の試行数が必要だと実感します。

2つ目は、無意識の行動の蓄積が思考や価値基準に与える影響は大きいということです。

当然ながら、豚肉や安い値段の商品が悪いわけではありません。それらも必要で生活を豊かにします。「今日は○○を作るために豚肉を買う」「○○の視点で安いほうを選ぶ」「この領域では低価格を追求する」など、自分の中で決めたことに沿ってそれらを買うのであれば、何の問題もありません。

問題は、決めたことに沿って実行していないことです。

この「迷って時間を使い、安いほうを選ぶ」という行動習慣は、おそらく偶然ではありません。食材の買い物だけではなく、日常のいろいろな場面にも通じているはずです。例えば、日用品で最も安いものを買う、観光で宿泊先を選ぶときは似たような候補の中から安いところを選ぶ、といった具合です。

価格が必ずしも質に比例するとは限りませんが、質の高さを表すバロメーターのひとつである以上、値段が高いほうが質の高い可能性が高いと言えます。ということは、安いほうを選び続けた場合、質が高いものの良さを知る機会をつくれないということになります。この蓄積が、自分の世界観をつくって強化することにつながりそうです。その買い物の影響は、共に生活している家族にも及ぶことになります。

そういった価値基準は仕事にも影響すると思われます。例えば、複数の会社による提案から委託先を選定する場合に、他の要素にはあまり目がいかず、無意識のうちにわずかな価格差を決定要因にしようとするかもしれません。

迷わないように、かつ自分なりの価値基準を自覚できるように、普段から選定理由を明確にしておく、あるいは「迷ったら右にあるもの」など別のルールを決めておくのもよいのかもしれません。

3つ目は、できなかったことに気付き、改善するための機会をもつことの意義です。

習慣を変えるのが難しい以上、すぐにはうまくいかないことのほうが多いと言えます。同振り返り会のようなPDCAの機会を体系的につくることで、「習慣を変えようとしたもののできていない」といったことに気付き、初心を思い出して行動を新たにすることにつながります。

「振り返って改善する」を育てていこうと、改めて思った次第です。

<まとめ>
行動し振り返り、習慣を変えていく。

いいなと思ったら応援しよう!