4月3日の日経新聞で「人口と世界 逆転の発想(1)成長の罠、人材投資で克服」というタイトルの記事が掲載されました。人口減少は必然的に経済発展の壁となる、人材投資がその壁の克服のカギとなる、という内容です。
同記事の一部を抜粋してみます。
上記の示唆を次のようにまとめてみます。
・人口減少は、国の経済発展の壁となる。今人口が増えている国もこの先の新たな人口には限りがあり、自然な成り行きでいくと国の構成員である人口は減っていく。人口がピークを迎える前に一定の経済的な富と生産力を手にしておかないと、人口が減り始めて「中所得国の罠」に陥る可能性がある。
・罠から抜け出すには、産業の見直しと人材開発が重要な要素となる。産業の見直しで既存領域での生産性向上、新たな領域での生産力を生み出すには、ルール見直しと国外投資家の呼び込みが有効である。
・人材開発も、生産性向上と新たな領域での生産力創出を促す。加えてそのことが、人材そのものを国外から引き込むことにもつながる。
・これらの点で一定の成果をみたのがアイルランドである。日本はまだ突破口を見出せていない。アイルランドの例は参考になる。
上記について、「日本」を「自社」に、「国外」を「社外」に置き換えてみるとどうでしょうか。「国」と「会社」という組織規模の違いはあれ、組織に通じる本質は同じです。自社に当てはまる企業は多いのではないかと思います。
既存事業の見直しや新規事業を推進するために、ルールの変更、教育や研究開発への投資が十分に行なえていなければ、組織が小さくなって沈滞化していくというわけです。
一定の収益事業と収益力があり、新卒の入社希望者が毎年一定数見込めている企業は、今のうちに罠にはまらない企業体へと変化していくことを目指すべき。既に罠に陥っている企業も、大胆な変革と意思決定次第では、状況を打開していくことができる。上記はそのように示唆しています。
4月から入社した新人や既存人材への教育投資について、今期の新たなスタートをきっている企業も多いと思います。上記は、その意義を改めて認識できる視点だと思います。
<まとめ>
人材を含めた新たな投資が、持続性のある発展と新たな人材の引き寄せになる。