7月5日の日経新聞で、「知で越える危機(1)高度人材、国境越え争奪」というタイトルの記事及び関連記事が掲載されました。人材の誘致力が国力を左右するという内容です。
同記事の一部を抜粋してみます。
上記で紹介されたデータを参照すると、横軸に「高学歴労働者に対する誘致指数」をとり、縦軸に「時間あたりの労働生産性」をとると、ほぼ右肩上がりの直線になります。つまりは、両者は相関性があり、人材を誘致する国は労働生産性が高いということです。
OECDによると、日本の高度人材誘致指数は0.5で、先進国平均を0.04ポイント下回っていて、33カ国中で25位だということです。人口減少で外国からの人材活用も掲げる中での、課題を示していると言えます。
関連記事で次のような内容もありました。(一部抜粋)
同指標の各国との相対的な比較では、日本は「治安・安全性」のスコアが高く、「所得税の低さ」がほぼ同じとなっています。それら以外の、「実質賃金」「移民受け入れ政策」「社会の寛容性」「外国人の就業率」が日本は低くなっています。国の政策に加えて、国民の意識も移民受け入れの観点からは課題があることがうかがえます。
ところで、上記のことは、国という組織の単位から、いち企業という単位に置き換えても、ほぼ同じことが言えるのではないでしょうか。(所得税などの要素は除き)上記で挙がっている要素を、外国からの流入人材=社外からの中途流入人材に置き換えて、次のように考えることもできると思うわけです。
・社外の中途人材を誘致する力のある企業は、組織全体の労働生産性も高い
・中途で流入してくる人材受け入れに対する寛容性が低い企業は、人材誘致力・生産性が低い
・中途人材流入の受け入れ方針・施策を持たない企業は、人材誘致力・生産性が低く、競争力で劣後する
また、記事中のオヴィス社の例からは、社員の新たな雇用形態や、社外人材との新たな連携方法の可能性も改めて認識できます。
国単位でも企業単位でも、組織外からの人材流入の促進や、組織外の人材との連携・活用が、組織の発展を後押しする要素になると考えます。
<まとめ>
組織外からの人材流入を促すには、施策と、寛容性などの姿勢と、どちらも必要。