6月13日の日経新聞で、「日本経済復活の条件(上) 人口より技術革新、将来左右」というタイトルの記事が掲載されました。人口減少のペースがますます早くなっていく見通しの日本において、イノベーションの重要性を説明するたいへん示唆的な内容だと感じます。
同記事の一部を抜粋してみます。
「資本・労働比率」と「全要素生産性」について、もう少し理解を深掘りしようと、Chat GPT-4に説明してもらったところ、次のような回答内容でした。(一部抜粋)
つまり、GDPは、
1.人口数
2.1人当たりどれだけの資本(機械や設備など)を使って生産活動を行っているか
3.人口と資本を効率的に組み合わせるための技術や効率がどれだけ高いか
の3つのかけ合わせで決まり、1人あたりGDPは2.3.の2つのかけ合わせで決まるというわけです。このように改めてシンプルに整理すると、GDPの構成要素がわかりやすくなります。
そして、1人あたりGDPを高めようとするならば、資本・労働比率の向上(労働者一人ひとりがより多くの資本によって支えられるようにする)や、全要素生産性(技術力や効率性を高める)の向上がカギであって、それらはイノベーションの実現ということに集約される。90年代以降の日本経済の低迷は、人口問題ではなく、要するにはイノベーションが少なかったということに帰結される、と同記事は示唆しているわけです。
そのイノベーションについて、同記事は続けて次のように説明しています。(一部抜粋)
イノベーションは、規模の大きいものから小さいものまでいろいろあり、その中で上記にある事例は、各人や各企業のおかれた環境下でそれぞれのミクロの立場からイノベーションが可能であることを改めて示唆していると思います。
金融機関の役割のひとつが、イノベーションの創出に意欲的な企業を目利きしリスクを取って貸し出しを行うこと。公的機関の施策で民間企業のイノベーションを後押しすることができる。餅は餅屋の役割がありそうです。
そして、1つのイノベーションで経済や社会全体を浮揚させられるわけではない。様々なイノベーションが複合的にかけ合わされていくことで、1人あたりのGDP増加=経済や社会全体の浮揚につながるというわけです。日本は課題先進国と言われますが、同記事に言及があるように、人口減少や高齢化といった環境変化は逆にイノベーションを生む余地が大きいとも言えるということが、改めて認識できます。
「人口減少で経済のパイが縮む」などにフォーカスすると思考停止になりがちですが、「ミクロの視点でイノベーションを追求する」にフォーカスすれば展望が開けることは、意識したい点だと思います。
<まとめ>
「ミクロの視点」で「イノベーション」を追求する。