相手と自分の間の前提を確認する
先日、ある経営者様とお話する機会がありました。協業相手と意思疎通がうまくいかず、トラブルになったという事例をお聞きし、振り返りをした次第です。
事例は次のような概要でした。
上記からの振り返りは、主に2つでした。ひとつは、相手とのコミュニケーションでは、前提に対する認識の共有をしっかりと行うのがよいということです。
同経営者様と私の共通の知人で、時々指導を仰いでいる方がいます。その方は「・・・。以上で、お互いの認識として合っていますか?違う点はありませんか?」という前提の確認をとる現状認識の問いかけをしてから本題のやり取りを始める特徴があると、同経営者様と話題にした次第です。
前提が1%でもずれていると、話していくうちにその1%から認識の差がさらに広がっていく。自分以外の他者と前提が100%一致することはないが、100%を目指して前提の確認を行う。途中に認識のズレが出てきたと感じることがあれば、ズレを埋めるための修正をかけ続ける。見習いたい特徴だと改めて思った次第です。
2つ目は、大事な場面では直接会って相手の顔を見て話すということです。
同エピソードで認識のズレの一因となっていたのが、オンラインでの打ち合わせや、文字でのやり取りだけになっていて、長い間直接会っていなかったことにあるだろうという振り返りをしました。
オンラインによるコミュニケーションツールもずいぶん発達してきましたが、今のところ対面でのコミュニケーションに勝るには至っておらず、両者には大きな開きがあります。将来的にも、やはり一定の差は残り続けるのかもしれません。
相手とのやり取りの中でなんとなく違和感に通じるサインをキャッチする、相手の話を少し中断してもらい質問を差し込む、納得感にあふれている表情かどうかがよく確認できるなど、現地・現物の対面のほうが優れている要素、やりやすい要素はやはりあります。
直接会うとなると、時間と移動費のコストはかかりますが、重大なやり取りであれば、やはりそれぐらいの時間はとるべきではないかということです。ちょっとしたやり取りが続くことで、気がつかないうちに何らかのずれが蓄積しているかもしれないことからは、さほど重大な場面がなくても定期的に対面で会うことも有意義だと言えます。
特に、トラブルがあった直後はそうなのだと思います。さっと顔を出しに行って謝ることで、その後うまくいきやすいのだと、同経営者様は言います。
それにしても、「若い頃のツケが自分に返ってきたので仕方ないと思って、素直に受け止める」ということには、たいへん感銘を受けました。同経営者様は、私の勝手なイメージでは「自責の塊のような人」なのですが、まさに自責の姿勢があふれる物言いでした。
<まとめ>
「以上で、お互いの認識として合っていますか?」で始める。
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