U-NEXTのCMに違和感。とか
U-NEXTのCMというのは、男性が、実家から電話を受けると、実家のお母さんが、「あのテープの山、捨てていいの?」と尋ねてくるヤツである。
彼は学生時代、ビデオで映画などを録りため、題名をきれいにラベルで貼り付け、部屋の棚にずらっと並べていた。お母さんが言ってるのはそのビデオテープのことだ。
CMの本題は、過去の自分に出会う、今の自分が、「ビデオ屋じゃ」というと、過去の自分が今の自分に「今の映画は面白い?」と聞くところだろう。(ただしこの辺はテレビバージョンでは見ない。YOUTUBEで見られるバージョンで出てきた)
だから今は、U-NEXTで映画を見ましょうという話だ。
でもこの青年は、母親に電話しなおして、ため込んだビデオをこっちに送ってくれという。
まず、このビデオの山だが、現在それを見ようと思っても、そう簡単には見られない。まずはビデオデッキが必要になる。BDなどにダビングするにしても、アナログの磁気テープは、ともかくビデオデッキで再生しないことにはダビングできない。
まず現在ビデオデッキを手に入れるのが大変。まあ中古とか探せばあるだろうが。
次に、この主人公は、小さい子供のいる会社員の設定だから、大体30代くらいとして、ビデをを録りためていたのは、10代ということだから、役20年前ということになる。確かにビデオがまだぎりぎり現役だった最後の時代だ。
では、20年前の磁気ビデオは、現在再生できるのかという話だが。
あのCMを見る限り、主人公は、一つの映画を一本のビデオテープに録画していたように見える(題名ラベルに題名が一つしかないから)当時ビデオテープは、標準画質で2時間の録画ができた。大体映画1本分だ。標準画質で録画されていれば、劣化はそれなりに遅くなる。結構画質を保てるとは思うのだが、それでも20年たってしまうと、かなりノイズが入ってしまう。
経験から言って、見られないことはないが、それは映っている画像が、何とか判別できるという意味で、かなり厳しい(ちなみに1本のビデオに映画3本くらい入れるように、3倍速とかで録画していると、20年もたつとほとんど霧の中のような画質になっている)
まあ、だから今更見るならU-NEXTという宣伝なのかもしれないが、ともかく、あの青年は、ごみをわざわざ家から送ってもらう可能性が高い。ちなみにビデオテープは燃えないゴミで、しかもほかの燃えないゴミと分けて出さないといけないので、面倒くさい。
さらに、ビデオテープは磁気テープなので黴る。
日本は高温多湿だから、かびるんだ。
ビデオテープには窓があってのぞくと、中にまかれている磁気テープに白うきした汚れが見える。あれが黴だ。黴がつくと、磁気テープ同士が貼り付いてしまい、再生しようとするとくしゃくしゃになってしまう。時にはデッキのヘッドに貼りつき、ヘッドにも黴を移す。
いずれにしろ、再生は難しくなる。まず無理だ。
そしてもう一つ。
ビデオ屋のようにたくさんビデオをため込んだということで、高校生時代の部屋の状況を作ったんだろうが、その部屋は、正面(机が置いてある場所)に窓があって、さらにその右側の壁にも窓があるのだが、正面の窓の前にみっちり本棚が置いてあって、ビデオが詰まっている。さらに右側の窓の半分くらいまでが棚があってビデオが詰まっている。だから、正面の窓は天井付近の少し、右側の窓は半分しか光が入らない。
という構成になっているのだが、それが「コツコツつづけたその棚は、まるで、ビデオ屋じゃ」ということらしいが、冗談じゃない。
あの程度で「コツコツつづけてビデオ屋」?
ふざけんじゃねえぞ。
あんなもん、小学生の遊びにもならん。
高校生がコツコツつづけたんなら、あの部屋に光は入らない。
最低でも、あの3倍から5倍。下手すれば10倍はため込む。
問題は、20年前ではなく、さらにそれ以前。ビデオデッキが発売されたころ、ビデオテープが価格が高すぎて、買うのが大変だったために、本数が増えなかったことだ。だが20年前なら、それほどでもない。高校生の小遣いとしては大変かもしれないが、しかしそれしか趣味のない、夢中している男子高校生がビデオ屋を気取るなら、あんな部屋じゃダメだろう。
棚に入りきらずに、床に平置きされる、段ボールに入れて重ねられる。廊下にはみ出して並べられる、そのくらいして、あと3倍から5倍はないと。
お母さんが、息子に確認しないで無言で捨ててしまいたくなるくらい多くないと。。。
20年前の磁気テープは、場所取りで、しかもそれが20年で完全にダメになってゴミになるという、頭抱え込みたくなるような代物なので、だからかさばらないU-NEXTにしましょうよ、っていうCMにしないと。
ちなみに、DVD-RAMは10年たつと、1割ぐらい再生できなくなる。パナソニック製(日本製)でも、そのくらいの率でダメになる。ただ、不思議なことに、最も古いころに購入したディスクは、(プリンタブルになっていない時期)なぜか再生不可になる率が低い。それから、のちに発売されたディスクで、オリンピック使用とかで、表面に若干の凹凸をいれたオリンピックロゴマークが印刷されている商品は、再生不可になる率が高い。おそらくこのロゴの印刷のせいで、記録面に影響があるんだろう。
ブルーレイディスクは、傷に弱いというが、経年劣化はどうだろうか。さらに10年後、確かめてみたいと思う。
今、5000枚からのDVDに囲まれた人生から考えるとね。
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