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「伊藤潤二 誘惑」展に行ったら蚊に刺された in 芦花公園
笑っちゃうほど混んでいた。
なんのことって?
ホラー漫画の巨匠、伊藤潤二先生の原画展です。
二ヶ月前から伊藤潤二作品にハマり、傑作選や長編を中心に端から読んでいた。全部好き。何十年もこれ読んで育った気がした。読んだの最近なのに。
当日行けるかわからなかったので、オンラインチケットは買わなかった。当日チケットの列に20〜30分くらい並んだ。
列に並んでいる間、まだ読めていなかった傑作選の最後の巻を読んだ。
※ここから先、表題作「潰談」のネタバレが入ります。
※あの、ホラーなので、グロいです。
「潰談」はこんな話。(途中までだけど)
謎の蜜をもらう。めちゃくちゃ美味しい。
蜜を舐めるときの条件は「気づかれないこと」しかし、みんななんのことなのかよくわからない。
蜜を舐めた人たちは突然、何かに潰されて絶命する。人間の形をとどめていない。
なぜ潰れるのか、いつ潰れるのかわからない。
この作品、とても好きだな〜と思って読んでいたら、腕に蚊が止まっていました。こいつ、俺の血を……。
手で払うと、そいつはどこかへ行きました。二度と来るんじゃねえぞ! 俺の血は無料(タダ)じゃねえんだからな。
読み終えた。
今後は買っておいた伊藤潤二のエッセイを読み始める。
漫画ではなく活字の本。
おいたちや、各作品の設定、着想方法などが書いてあって、伊藤潤二の歴史を知るだけでなく、純粋に創作論としても楽しむことができました。裏話、好き。
この中に「潰談」の着想について記述があった。
「蚊が人間の血を吸うとき、人間に気づかれないようにする。気づかれると人間に潰される。そこから考えた」といった感じ。
「たしかに、蚊が潰されるかどうかって、人間側の気まぐれでしかないから、蚊からしたら怖いわな」と。
考えながら腕をふと見たら、また蚊が止まっていた。
だからなんだって感じなんですけど、あまりにタイミングがよすぎて笑いました。
翌日見たら、腕だけでなく、指も刺されてた。蚊め!
あれ?蚊の話しかしてないな。
原画展自体は素晴らしかった。
ていうか、絵、うま!
山田章博先生のときも思ったけど、原画展ってもう「絵、うま」としか考えられない。
「絵が上手い」って強いな。
「絵が上手い」って権力なんだ。(?)
人が多すぎてじっくり見られなかった。
けれども藤宮は展示作品そのものよりも、それを観るひとたちのほうに興味があるので、かねてより気になっていた「伊藤潤二ファン」がどのような層なのかを間近に見ることができて、大変満足していた。
語弊を恐れずにいうと「ファッションにこだわりがありそうな若者」と「やたらタトゥーが入った海外の人」が多かった。
いや、イメージどおりかい。
海外でアホほどにウケているらしい。
あの会場内の熱気を見るに、嘘ではない。
グッズ売り場も賑わっていた。
へたをすると、会場に入るときの列よりも、グッズ売り場の列のほうが長かった。
体感的には、空いている日のディズニーランドくらい混んでいた。
でもまあ、並ぶのはさほど苦ではない。
今日はKindle Whitepaperを持ってきたからね。電子書籍が読み放題だぜ。
先日買った、ホラー小説のアンソロを読むことにした。どの作家さんが書いているのかは調べずに買った。
ページを開く。一作めは芦花公園先生。
じつはまだ著作を読んだことはなかったが、名前は存じている。カクヨム経由でデビューされた方だ。
と同時に、気味の悪さを感じた。
芦花公園先生のペンネームの由来は明示されていないようだが、すくなくとも「芦花公園」という地名と同じであることは確かである。
そして、今回伊藤潤二展が開催された世田谷文学館は芦花公園駅から徒歩5分の場所にある。
これがミステリー小説だったら「芦花公園駅から」のところの文字の上に点々がついているはずだ。ちなみにあの点々は傍点や圏点と呼ばれるらしい。noteでは傍点をつけることができないので、かわりに太字にしておいた。
だからなんだっていうことではあるんですが。
さっきの蚊の件といい、伊藤潤二展に足を踏み入れてから何度も謎の偶然が起きるので、気になってしまったよね。
そんなわけで話がとっちらかってしまったが(いつものことだ)伊藤潤二展とてもよかったなあ。
すでに東京での展示は終わり、10月から兵庫での展示が始まるらしい。
それにしても、蚊に刺されたあとが消えない……。
おまえ、本当にただの蚊だったのか?
ヒュヒューヒュヒュ〜〜〜ヒュヒュ〜〜〜〜〜(ほんとにあった怖い話のBGM)
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