「日本でいちばん大切にしたい会社」を読んで考えたこと
大学での授業準備のさなかに、今更ではありますが、じっくりと読んで感銘を受けた本があります。キャリアデザインの講義で紹介するのです。
今更ではありますが・・・ですかね(もう一回強調しました)。
坂本光司先生の「日本でいちばん大切にしたい会社」です。従業員や家族を幸せにする、外注先や下請けを幸せにする、そして顧客を幸せに、地域社会を幸せにする。自然に生まれるのが株主の幸せ、ですね。いろいろとやることがあるのですが、kindleで夢中になって読んで東京までやってきました。
同じ会社の従業員やその家族を幸せにするという考え方。私は特にこの考え方が好きです。会社は、従業員の力がなければ成り立ちません。経営者が従業員を第一、と言って本当にそれを体現できている会社って、どれだけあるのかなって思いますね。従業員を第一にしている、そうではない、どちらの会社にも接してきたと思いますね。
外注先や下請けを幸せにする。よく相手によって横柄になる方々と私は接してきたことがあります。研修やコンサルティングの業界では特にその様子をよく目にしてきました。今でもそのような人と、時々会ってしまうのですが・・・
社会人最初の会社では、いわゆる加盟店と呼ばれる方々から、今思えばひどい扱いをされていました。休みの日に加盟店の片づけに駆り出されるとか・・・加盟店の顧客のために、という意味で審査OKにして貸し出しをするなど・・・加盟店は、きっと私たち取引先のことなんて何とも思っていなかったのではと想像します。そのような会社にいたので、会社に大切にされている印象もまったくなかったです。
そんな経験をしてきた自分自身が、今、従業員を大切にする会社の経営に感銘を受けているのですから、人生ってわからないものですね。
そういえば・・・会員になっている(最近はあまり関われていませんが)静岡県中小企業家同友会の三つの目的を思い出しました。
「よい会社をつくろう」「よい経営者になろう」「よい経営環境をつくろう」私は、会社経営をする立場よりは、会社経営を外から人材育成の側面でかかわる立場なのですが、この三つの目的に共感して入会したような気がします。
従業員一人一人の成長、可能性に対してかかわることで、いい会社にするためのお手伝いができているか。そのことを、自分の胸に手を当てて、改めて考えなきゃなぁって思いました。
一度の研修やキャリアコンサルティングであっても、その人たちにとっては貴重な一日。いや一日ではなく数時間、数分なのかもしれません。出会う人たちは、いい会社にするために活動している従業員の方々です。そう考えて仕事に取り組んでいくと、いい仕事ができている、いい会社の経営を続けていると言える気がします。そして、家族と笑っていられる人生を長く歩んでいきたいです。
「日本でいちばん大切にした会社」など、人を大切にする経営の話にはもっと触れます。そのような会社に出会えると信じて。