意識不明から目が覚めた時

ある夏の日、私が運ばれたのは救急搬送の総合病院。

当時激しい頭痛が出て、けいれんし始め、同居していた彼が救急車を呼び病院へと搬送された。

その後、意識不明の状態でいろいろな検査や処置、それはもう諸々なことをされたようで(前述のごとく本人は意識がないのでそんな記憶は微塵もない)容体はよくならず、救急病棟で入院の運びとなった。

それから数週間後、ふと目が覚めた私は、動かない自分の体と、見慣れない天井、風景に「はて?」と思いながら首だけを動かしていた。

(※蛇足だけども某ロボットアニメのタイトルにある「見知らぬ、天井」とはまさにこのことだなぁ、と。制作陣のなかにこういう体験をした人がいたのだろうか…)

寝たきりの状態で、首には酸素チューブ、腕には点滴と心電図用のパッド、とにかく身体中管まみれ。体の筋肉が極端に落ちたため、とっさに動かせる力はなかった。そのとき、目が開いている私に気づいた看護師だろうか、が廊下から病室をみて、

「あ、起きてる」

と一言少しだけ驚いたように言って部屋の外のどこかへ行ってしまった。

それから、数人の白衣の医者と看護師がきて「あなた、自分がどこにいるか分かる?ここ、病院。今からお母さん来るからね」
と言われ、頷くだけで(もしかしたら首も動いてなかったかもしれない)そのままベッドで疑問を持ったまま短い時間を過ごすことになった。

数十分後経った頃だろうか、病室のドアから見慣れた姿が見えた。母だった。

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