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政治がハックされるとき。

東京都知事選の投開票まであと4日。

選挙権はなく、けれど間接的な影響を大いに受ける神奈川県民としては恨めしい目で注視せざるを得ない。

泡沫候補の中で、やはり気になってしまうのは立花孝志だ。

えげつないキャラクターと政治家にあるまじき挙動(当選後すぐに辞職するなど)から、好きか嫌いか、正道か邪道かみたいな二元論で切り捨てて無視する=注目しないパターンが多いが、自分はこの人は「政治をハックしてる」のだと気づいた。

以前「支持政党なし」という名称の政治団体がいて、無党派層の批判票が「支持政党なし」と書いたら比例区で得票するという報道があって『なんじゃそりゃ!』と思って政治ハックに興味を持ったけど、結局「支持政党なし」が議席を得ることはなかった。

けれど立花孝志は手法はどうあれ「NHK」を共通敵にして浮動票を取りまとめ、一定の支持層の票を得て、国政に議席まで持ってしまった。

「NHKから国民を守る党」として議席を持ったことで政党交付金を得て、その額は1億6千751万円。失言で維新の党を放逐された丸山穂高を抱き込んで、本人は党首のまま議員辞職して地方都市の首長選に出馬して顔を売り、今回は「ホリエモン新党」という堀江貴文にまったく関係のない、名前だけ勝手に使った新党を結成して都知事選に出馬。

選挙制度の穴を突く、ルール違反すれすれ(道義的にはアウト)の戦術や、裏をつく視点や発想はチートすぎて逆に見事で、お前はケビン・ミトニック*か!と叫びたくなる。

ケビン・デイビッド・ミトニックKevin David Mitnick 1963年8月6日 - /ソーシャルエンジニアリング(人間の心理的な隙や、行動のミスにつけ込んで利得を得る手法)に長けたアメリカの伝説的なハッカー

「政治をハックする」輩が出てくるなんて考えてもいなかった。

けれど、これからはきっと、こういうことにも考えを巡らせなければならない。今後は、あらゆる場面に悪いハッカー=クラッカーがわき出てきて、これまでの性善説で成り立っていた世界をかき乱すだろう。ますますぼんやりしていると出し抜かれる社会になってきた。

その象徴としての、立花孝志。
東京都知事選の投開票まで、あと4日。

○東京都知事選挙
https://www.asahi.com/senkyo/tochijisen/2020/koho/

○令和2年度政党交付金公布資料
https://www.soumu.go.jp/main_content/000678653.pdf

○ホリエモン新党について
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%9B%E3%83%AA%E3%82%A8%E3%83%A2%E3%83%B3%E6%96%B0%E5%85%9A

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