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こういうのってあんまり格好良くはないけど 初めから俺たちは格好良くなんてないしな

(Facebookに書いた2015年5月18日の記事の転載です)

小田急線の車内、谷川俊太郎のことを調べていてたどり着いた曲。

この曲を書いた若者は24歳で、ラッパーで、詩人で、自分の表現を模索していて、新たな何かを創り上げていて、そしてすでにこの世を去っていた。

遮二無二もがいている自分より遅く生まれた人のことをみて「青臭い」ということばで片付けてしまうようになったら、それはきっともう枯れ始めてるんじゃないだろうか。

誰にでも荒削りな、こんな時代があったはずで、でもそれは今となっては昔のいい思い出だよねってことにしちゃったらそれはただの敗北宣言なんじゃないだろうか。

自分にあのころの熱さがないことを認めるのが怖くて、ただただ思考停止をするためだけに、青臭いとか、若いねとか、かなわないなとか、余裕ぶった薄笑いとともにそういうことばが自然に口をつくようになったら、それが大人になるってことなのか? それは大人になったってわけじゃなくて、ただただ楽をしたがりの怖がりになったってだけなんじゃないだろうか。そんな自分を鎧うためのレッテル貼りほどグロテスクなものはない。

灼けた鉄には灼けた鉄しかなじまない。新しい鉄も、古い鉄も、熱さえあれば生まれ変われるはずだから、自分は熱を失わないようにしよう。魂の芯にある、熱を帯びた線を焚き続けよう。

新しいことを始めるときにいつしか芽生えるようになった、失敗をしたら怖い、恥ずかしいという気持ち。けれど、その怯えが熱を冷ましてしまうのだと気づかされた。

〝こういうのってあんまり格好良くはないけど
 初めから俺たちは格好良くなんてないしな〟

その通りだな。

https://youtu.be/ueq2QFIIpu0

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