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僕は20年前の恩返しがしたい。

僕は、今、学習支援教室を作ろうと思っている。

僕は神奈川県の湘南と呼ばれる地域の藤沢市で生まれ育った。江ノ島のある街だと言えば、少しは知っているかもしれない。藤沢の海は夏になると県外から海を求めてきた若い人たちでいっぱいになる。

小学生、中学生と藤沢市の学校に通い、高校だけ隣の茅ヶ崎市の高校へ進んだのだけど、僕はこの藤沢でたくさんの思い出を作った。

初めてできた友達、初めての喧嘩、初めての部活、初めての努力、初めての失敗、初めての成功・・・。

いろんな経験をこの街でしてきた。

良い思い出だけではなくて、もちろん辛い思い出もある。

ある日、家庭がちゃんと崩壊した。

僕の両親は、僕が小学2年生の時に離婚をした。

幼い僕でもぼんやりと「あ、もうこのままじゃいられないんだな」と感じたのを今でも覚えている。母と父の夫婦喧嘩は絶えず、「なんだかママとパパは仲がとことん悪い」と感じていたのは、5歳くらいの時からかな。

子どもって、両親同士の仲が良いことを期待をしていたり、信じていたりする。まあ、あたりまえだけど、やっぱり家族が仲が良いっていうのは安心するし、嬉しい。

当時の僕は、とにかく悲しいけど、だんだんと、世の中の「普通の家庭」が壊れていくのを感じていた。小学2年生の夏休みに入っていた僕は、友達ととにかく良く遊んでいた。

ある日、遊び終わって家に帰ってくると、2階の窓からリュックが外に放り投げ出されたのを外から目撃したのを覚えている。

その日から家に母はいなくなり、父と妹と僕の3人生活が始まった。

父は普通のサラリーマンなので、夏休みも関係なく働きに出かける。僕はまだ3歳の妹の面倒を見なくてはいけないので、家から出られない。お昼ご飯は父に渡された1万円でピザを頼んでいたかな。

さすがに僕と妹だけではあまりに生活がままならないので、家の近くに住んでいた母方のおじいちゃんが良く家にきてくれて面倒を見てくれた。

朝起きると、おじいちゃんがリビングで新聞を読んでいる。
母がいないから普段使われていないガスコンロから香ばしい匂いがして、
テーブルの上に置かれたちょっと焦げた目玉焼きを頬張る。

おじいちゃんのちょっと焦げた目玉焼きはもう食べられないけど、本当に美味しかった。それ以来、目玉焼きには醤油をかけるようにしている。

そんなこんなで、
母がどこかに飛び出していき、
おじいちゃんに助けられ、
父と妹と僕の3人生活を過ごしていたのだけど、長くは続かなかった。

ある日、僕が夜の9時くらいに家から追い出されることになった。

「妹を僕が泣かした」という誤解から生まれた父からのお説教。

ランドセルを背負い、家の玄関を出る。そのまま、無言で歩き、近所の友達の家のインターホンを押す。

「家がなくなっちゃった、助けてください」そう、友達のお母さんにインターホン越しに叫ぶと、家に入れてくれた。というよりは、無事保護してくれたというか。

家であったことを説明すると、友達のお父さんがそのまま家に行って説得してくれるとのことだった。

その後、幼い僕はもう安心したのか、号泣で、泣き疲れて、気付いたら寝てしまった。

起きるとおじいちゃんの家になぜか僕は寝ていて、なんとなく全部終わったんだなって思った。隣で妹がスヤスヤと寝ている。

その日を境に、世間一般の家庭は崩壊した。

僕は、おじいちゃんの家から小学校に通うようになった。母はいないし、父もいない家族。

いわゆる普通の家族ではなくなってしまった自分。
運動会には両親はこないし、授業参観にもこない。

ドラマで見るような黄色い幸せがたくさんつまっている家庭なんて、僕の世界にはどこにもなかった。

そんなこんなで、おじいちゃんとおばあちゃん、周りの友達、学校の先生たちに見守ってもらって、今があるんだけど、

・じゃあ、周りにおじいちゃん、おばあちゃんがいなかったら?
・助けてくれる仲の良い友達がいなかったら?
・あの日、僕を保護してくれた友達のお母さんがいなかったら?
・ほぼ無料みたいな金額で勉強を教えてくれた個人塾の先生に出会わなかったら?


僕は本当に運がよかったんだと思う。

大人になって、色々と現実を見て、知ったからこそ、僕は本当に運がよかった。

たくさんのめぐりあいで、人生を前に進ませることができた。

これまで、僕のことを影で支えてくれてきた人たちに恩返しがしたいし、
もし、大変な思いをしている子どもがいたら、助けてあげたい。

僕がこれまでしてもらってきたことを、

今度は、僕がしてあげたい。

ちょっと長くなってしまったけど、学習支援教室を作りたい理由の1つはこんな感じ。

自分がお世話になった人たちにしてくれたことを、同じように次の世代にしてあげたい。きっと、ほんの少し手を差し伸べるきっかけがあれば、人生は大きく変わる可能性があるのだから。


P.s.

もし学習支援教室や、教育事業、経営、ビジネス、キャリア、国際協力などの分野に関心があったら、ご連絡いただければお力になれることもあると思います。

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