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失敗しない家づくりのために「住宅業界の裏側と賢い施主の心得」


注文住宅を建てるのは、確かに一世一代の大仕事です。でも正直言って、それ以上に人生最大の試練かもしれません。なぜって?住宅業界には「お客様第一!」という建前と、実際の「会社都合最優先」という本音のギャップがあるからです。今回は、そんな住宅業界の「あるある」と、あなたが持つべき家づくりのリテラシーについて、ざっくばらんにお話ししましょう。

施主ファースト?いやいや、会社ファーストが当たり前の業界

理想のマイホームを夢見て住宅会社に足を運んだら、「お客様第一です!」と満面の笑みで迎えられるはずです。でも、その笑顔の裏で彼らが本当に考えているのは、「どうやってこのお客さんに契約してもらおうか?」
商売だから仕方がないですが、まずは本気でお客様第一を考えてほしいものです。

なぜ会社ファーストになるの?

住宅業界の営業マンには、厳しい売上ノルマがあります。「今月あと○棟契約しないと!」というプレッシャーをかけられているんです。だからこそ、「本当にこの会社で家を建てるのがベストなのか?」を冷静に見極める必要があります。

契約を急かされたら要注意

「ちょっと考えたいんですけど…」と言えば、「このキャンペーン、今月までなんですよ!」と契約を急かされることもしばしば。そんな時は、心の中で「なるほど、これが"会社ファースト"か」と冷静に突っ込んでみましょう。

追加費用マジックに気をつけて

契約後に「え、それってオプションでした?」「追加費用がこんなにかかるなんて聞いてない!」なんていう後出しじゃんけんをされることも。この"追加費用マジック"に引っかからないためには、最初の段階で「これって全部込みですよね?」としつこく確認することが大切です。

住宅業界のアナログっぷりを侮るなかれ

私たちはスマホで何でもできる時代に生きています。なのに、工務店に行った途端、「FAXが主流」「打ち合わせはすべて紙」「突然、『この書類、今すぐ必要なんで用意してください』と言われる」といった昭和の香りが漂うのはなぜでしょう。

工務店のアナログな実態

「工務店ってアナログすぎません?」と聞くと、「うちの親方、パソコン苦手で…」という答えが返ってくることも。確かに、家を建てる技術はすごいかもしれません。でも、打ち合わせが進まなかったり、情報共有が遅れたりすると、施主側に大きなストレスがかかります。

最新技術とのギャップ

最近は3Dやバーチャル技術を駆使した設計が当たり前。でも、それを導入していない工務店も多く、「完成形がイメージできませんよね?」と施主が困惑することも。「これ、本当に大丈夫なの?」と不安を抱いたら、しっかりと確認しておくべきです。

現場での「おや?」モーメント

そして、現場に行って「おや?」と思うこともしばしば。「この壁、最初のプランと違う…」と気づいたときにはもう手遅れ、というパターンもあります。単に間違えならいいですが、証拠の記録もなく、言った言わないにならないようにしっかり記録しておきましょう。また、ショールームで確認したものは実はオプションで契約書にはしっかり品番が記載されているなど、行き違いもよくあることです。必ず仕様書は実物か、写真などで確認しましょう。

「昔からのやり方」に要注意

また、現場の職人さんが「いや、昔からこうやってるから大丈夫!」と言い張る場面にも遭遇するかもしれません。でも、本当にその「昔からのやり方」が最新の技術や知識に基づいているのか、しっかり確認する必要があります。今は現場管理もDX化が標準。便利なものを使わないのはコスト削減の意識が低い。その分価格に反映されているかもしれないということも覚えておいてください。

大手ハウスメーカーの強みと弱み

一方で、大手ハウスメーカーはアナログな工務店とは異なり、仕組みやシステムがよく整っています。商品説明や契約の流れ、スケジュール管理などは非常にスムーズで、見積もりの明瞭さも期待できます。ただ、営業マンのリテラシーには期待できないことも。大手だから営業も優秀なんでしょ?と決して思わないことです。

大手の強み:システマチックな対応

  • 商品説明が分かりやすい

  • 契約の流れがスムーズ

  • スケジュール管理が徹底している

  • 見積もりが明瞭

大手の弱点:柔軟性のなさ

しかし、大手ハウスメーカーの弱点は「柔軟性のなさ」。決められた規格や標準仕様があるため、顧客が少しでも特別な要望を出すと、「できません!」の一点張りで、がっかりすることも多いのです。
例えば、「この壁紙を少し変えたい」「ここの間取りを少し広げたい」と言っても、「それはオプション対応していません」とか、「社内規定で不可です」といった返答が返ってきます。会社も営業も、顧客からの変化球にはとことん弱いのが大手の特徴です。

工務店の多様性を理解する

ここで注釈を入れると、工務店といっても規模や、やり方は様々です。「工務店はアナログ!」と言うと、「うちの工務店はアナログじゃない、いろんなDXを駆使してやってます」という会社もあるでしょう。

年間数十件規模になると工務店ではありますが、ハウスメーカーと中身は変わりません。「うちは注文で拘れる」と言うかもしれませんが、その場合はアナログではなく、DXを使いまくっているけど、非効率な進行をしている可能性もあります。

請負の棟数が多ければ管理も増えるので、やっぱりある程度商品を絞り込まないとスムーズにはいきません。効率と柔軟性のバランスを取るのは、どの工務店にとっても難しい課題なのです。

リテラシーの高い顧客が取るべき戦略

業界の悪口を言っても仕方ありません。どこの会社も一長一短。予算に限りがある限りは100%の要望を叶えることは難しい。であれば、自分が求める強みを持っている会社を選択し、その会社の弱みをどうフォローするかを考えるべきなのです。

リテラシーの高い施主の心得

リテラシーを求めるのではなく、リテラシーの高い施主が、住宅業界の長所と短所を理解し、戦略的に家づくりを進めることが重要なのです5

工務店かハウスメーカーか、求める家に合った選択をする

ハウスメーカー(大規模な工務店)を選ぶ場合

決まった規格やシステムを求めるならハウスメーカーがおすすめです。何かを決めていくのが面倒、ある程度の性能を求め、こだわりというよりも好きなテイストなどがある方は、展示場などで実物を確認しながら打ち合わせをしていくのが良いでしょう。

ハウスメーカー選択のポイント

  • 展示場などはオプションも多いので、展示場の仕様と実際のプランの仕様をよく確認することで予算管理ができます。

  • 規格に縛られない範囲での変更点を事前にリサーチしましょう。

  • できること・できないことをリスト化し、納得できる範囲で決定しましょう。

工務店を選ぶ場合

自由な設計やオリジナリティを重視するなら工務店がおすすめです。その工務店ではプランやデザインが心配であれば、設計事務所に設計を依頼する方法もあります。

工務店選択のポイント

  • 予算に限りがある場合は、設計事務所にはよくよく予算を超えないように話をしてください。

  • こだわりは打ち合わせに盛り上がると、あとで価格にびっくりすることもあります。

  • 住宅ローンや資金計画も弱いことがあるので、専門家に相談しながら資金もしっかり計画する必要があります。

デジタル対応の確認

工務店を選ぶ場合は、デジタル対応の有無を確認することが重要です。

  • 打ち合わせの記録をしっかり残してくれるか?

  • 最新の建築技術を理解し、適用できるか?

どの選択肢でも、担当者のリテラシーを確認する

どの会社を選んでも、担当者のリテラシーは非常に重要です。

  • 担当者が知識を持っているか?

  • 顧客の要望をきちんと理解し、対応してくれるか?

実は一番難しいのはリテラシーの確認になると思います。私ならどうやってリテラシーを見極めるか!それは価値観です。しかも仕事に対する価値観を聞きます。

  • 顧客から感謝されることに生きがいを感じているか。

  • 自分の仕事にプライドと自信をもっているか。

  • その仕事を好きでやっているか。

プロは、相手の価値観に自分を合わせることができると思います。しかし、決まった商品説明をするだけの営業が通じる時代ではないので、むしろセールストークを丸暗記している担当者をリテラシーの高い顧客は相手にはしないはず。意思疎通を図るのは難しいものです。せめて価値観の合う人なら言葉で説明が足りなくてもなんとかなるはずです。

できるだけ契約前にすべての要望を伝え、見積もりを明確にする

「後から追加できると思っていた」は大きな落とし穴です。事前に細かく詰めることで、後悔を防ぐことができます。

契約前チェックリスト

  1. すべての要望をリストアップする

  2. 各要望に対する対応可否を確認

  3. 追加費用が発生する項目を明確にする

  4. 見積もりの内訳を詳細に確認する

  5. 不明点は必ず質問し、曖昧な点を残さない

住宅業界の担当者にリテラシーがなければ、施主自らがプロデュースをすべき。

住宅業界には、まだまだ課題が多くあります。しかし、施主自身がリテラシーを高め、プロジェクトのリーダーとして積極的に関与することで、失敗を防ぐことができます。

  • 住宅会社や工務店が「施主ファースト」ではなく「会社ファースト」になりがちであることを理解する。

  • 工務店のアナログ体質を認識し、DX化している会社を見極める。

  • 住宅性能に関する知識を身につけ、施工品質を確認する力を持つ。

  • 施主がプロジェクトマネージャーの役割を担い、計画を主体的に進める。

施主としての意識を高めることで、より満足度の高い家づくりが実現できます。とはいえ、「どう進めればいいかわからない」と悩む方も多いでしょう。そんなときは、ぜひ「スタイルオブ東京」へご相談ください。

スタイルオブ東京では、お客様の代理人としてワンストップでお客様の「楽しい暮らし」をサポートしています。まずは無料相談にお気軽にお問い合わせください。


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