![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/89645317/rectangle_large_type_2_7617637c182d399064230d8712cb370b.jpeg?width=1200)
省令準耐火構造とは?メリット・デメリットと確認方法を解説
マイホームを買うときには、知っておくと便利な住宅の性能や制度がたくさんあります。
そのうちのひとつが「省令準耐火構造」です。
あまり馴染みのない言葉かもしれませんが、省令準耐火構造の住宅を買うと優遇を受けられます。
この記事では、省令準耐火構造のメリット・デメリットと確認方法を分かりやすく解説します。
省令準耐火構造とは?
![](https://assets.st-note.com/img/1666570912302-bTWVrjqhKN.jpg?width=1200)
省令準耐火構造とは、政策金融機関である独立行政法人住宅金融支援機構が定めた基準に適合する住宅のことです。
建築基準法で定められている準耐火構造に則った防火性能を持っています。
簡単に言ってしまうと、火災による延焼を抑えるために必要な耐火性能を備えた構造の住宅です。
省令準耐火構造は、以下のいずれかの性能を持っています。
外部からの延焼防止
各室防火
他室への延焼遅延
屋根に不燃材料を、もしくは軒裏や外壁には防火構造を用いることで、近隣住宅で火災が発生した際の延焼を防止します。
天井や壁に石膏ボードを使用すれば、火災が発生しても一定時間は部屋から火を出しません。
天井や内壁にはファイヤーストップ材を使えば、他室への延焼を15分ほど防ぎます。
このように、省令準耐火構造なら外部からのもらい火による火災だけではなく、内部火災にも強い住宅をつくれるのです。
耐火建築物・準耐火構造との違い
![](https://assets.st-note.com/img/1666570942219-lyITO5d7bl.jpg?width=1200)
火災に強い住宅といえば、耐火建築物や準耐火構造が思いつく人も多いでしょう。
耐火建築物の基準は建築基準法に明記されています。
耐火建築物の基準
建築物の主要構造部(壁・柱・屋根・床・階段・はり)が、通常の火災が終了するまで耐えられること
建築物の周囲で通常の火災が起こった際、火災が終了するまで耐えられること
延焼する可能性のある外壁の開口部には、防火戸や防火設備を設けていること
耐火建築物は鉄筋コンクリートや石などの燃えにくい素材でつくられていることが一般的です。
ただし、工法によっては木造住宅でも耐火建築物の承認を得られます。
準耐火構造の基準は以下のとおりです。
主要構造部(壁・柱・屋根・床・階段・梁)が耐火構造に準ずるもの
延焼の可能性のある開口部(窓・扉)に防火戸などの防火設備を備えていること
耐火構造は、通常の火災が終了するまでの間、建物が倒壊・延焼するのを防止できる性能を持っています。
準耐火構造は火災の延焼を抑制し、火災が起きてから45分ほど耐えられる構造のことです。
省令準耐火構造はこの「準耐火構造」に準ずる防火性能を持っていますが、建築基準法で定めた構造ではありません。
耐火性能のグレードは耐火建築物が最も高いけですが、建築コストも高額になります。
省令準耐火構造のメリット
![](https://assets.st-note.com/img/1666570950679-PXMif0M7fd.jpg?width=1200)
省令準耐火構造のメリットは3つあります。
まずは、火災リスクが低いことです。
日本の戸建て住宅は木造が多く、火災が心配されます。ですが、省令準耐火構造でマイホームをつくれば、もしも火災が発生したとしても被害を抑えられるでしょう。
また、耐火性能が高い住宅は火災保険の保険料も優遇されます。
木造住宅は鉄筋コンクリート造などに比べて火災保険料が高いですが、省令準耐火構造の住宅なら割引が適用されるのです。
ちなみに、火災保険は加入義務はありませんが、マイホームを購入した多くの人が加入します。
保険料の割引率は保険商品によって異なりますが、何十年と長い目で見ると大きなメリットといえます。
また、住宅金融支援機構による長期固定金利の住宅ローン「フラット35」の審査で優遇されることもメリットです。
省令準耐火構造のデメリット
![](https://assets.st-note.com/img/1666570962179-WVHLVUboPS.jpg?width=1200)
省令準耐火構造の住宅をつくる場合、要件に適合させなくてはいけないため内装デザインなどに制約が出ることもあります。
梁を出すなどの構造は難しいでしょう。
防火性能を高めるための工事では追加費用が発生する可能性があることもデメリットです。
マイホームを省令準耐火構造にする場合、制約や費用についてハウスメーカーなどで事前に確認しておくといいでしょう。
省令準耐火構造か確認する方法
![](https://assets.st-note.com/img/1666570973547-QZ7rddB4wg.jpg?width=1200)
分譲住宅や自分の住んでいる家が省令準耐火構造かは、パンフレットや設計仕様書で確認できます。
「省令準耐火」または「省令簡耐」と記載されていれば、省令準耐火構造の住宅ということです。
火災保険に加入している場合は、保険証券を見れば分かります。
これから住宅を買う人は、ハウスメーカーや施工店などに直接確認すれば間違いありません。
まとめ:省令準耐火構造の住宅で安心な暮らしを
省令準耐火構造でつくられた住宅は、準耐火構造に準じた耐火性能を持っています。
外部からの延焼防止、各室防火、他室への延焼遅延のいずれかの性能を備えており、火災が発生した場合の被害を最小限に抑えられるでしょう。
準耐火構造と同じように火災保険料の優遇が受けられるので、防火性能が高い住宅に住みたいと考えている人は、省令準耐火構造も視野に入れてはいかがでしょうか。