制振装置ってなに?耐震や免震との違いを分かりやすく解説
地震が多い日本では、遠くない将来に南海トラフ大地震や首都直下地震が起きる確率が高いといわれています。
そこで気になるのが、マイホームの耐震性能です。
地震によって損壊したり倒壊したりしない頑丈なマイホームなら、地震大国である日本でも安心して暮らせます。
すでにマイホームを購入している人も、リフォーム工事で耐震性能をアップすることも可能です。
住宅の強度を高める方法はいくつもありますが、その中でも低価格で効果が高い「制振装置」について分かりやすく紹介します。
制振装置とは?
制振装置とは、地震による揺れを吸収して抑制し、建物へ伝わる揺れを抑えるためのものです。
揺れを抑えることで、建物の構造へのダメージが軽減し、変形やダメージを防止します。
制振装置は「制振ダンパー」とも呼ばれ、製品によって壁や柱、梁などの接合部や土台に設置します。
素材や種類はいくつかありますが、ゴムや金属、油圧式が一般的です。
耐震工事は費用が高いイメージがありますが、制振装置の設置費用は新築時なら50万円前後とリーズナブルです。
耐震・免震との違い
住宅情報を見ていると、「耐震」や「免震」といった言葉をたくさん見かけますね。
いずれも地震対策ですが、実は制振とは効果や役割が異なるのです。
耐震と免震、制振の違いや施工費用の目安を紹介します。
建物の倒壊を防止する「耐震」
耐震とは、主要な構造部分の強度を高めて建物の倒壊を防止します。
あくまでも建物の倒壊を防止することが目的なので、損傷する可能性がなくなるわけではありません。
また、建物の揺れを防ぐ効果はなく、上階に行くほど揺れが大きくなることが特徴です。
耐震工事では、壁に筋かいを入れたり、柱や梁などの接合部を耐震金具で補強したりします。
ハウスメーカーによって耐震性能には差があり、標準仕様で耐震構造を導入しているところも増えています。
リフォームで一戸建てを耐震工事する場合の費用はケースバイケースですが、一般的な面積の住宅でも100万円ほどかかるでしょう。
建物に揺れを伝えない「免震」
免震とは、地震の揺れを建物に伝えないようにすることです。
建物の揺れを軽減するため、室内にある家具の倒壊や食器の破損、建物の損傷も防止できます。
免震工事では、建物と基礎の間に免震装置を設置することで、地震のエネルギーを減少させます。
横揺れに高い効果を発揮しますが、中には縦揺れにはあまり強くない免震装置もあるので注意が必要です。
免震工事は費用が高く、新築でも200万円〜300万円ほどかかるといわれています。
揺れを吸収・抑制する「制振」
制振とは、先述したとおり揺れを吸収して抑制することです。
揺れを小さくすることで、構造躯体の変形や損壊を防止してくれます。
耐震よりも揺れを抑える効果が高く、地震はもちろん強風などによる揺れも軽減。
揺れが長く大きい「長周期地震動」や繰り返す余震にも強いことも特徴です。
制振工事費用は50万円前後が相場なので、耐震・免震工事よりも安く地震対策できます。
リフォームで後付けも可能
制振装置は、既存住宅への後付けも可能です。
費用は新築時よりも高く、リフォームの場合は50万円〜100万円ほどかかるでしょう。
それでも耐震・免震工事よりも安いので、建物の損傷を防ぐための対策として検討する価値があります。
リフォームで制振装置を後付けする方法は、室内から設置する方法と室外から設置する方法の2種類です。
室内から取り付ける場合は壁を一度取り外すので、設置場所によって荷物やエアコンをどかす必要があります。
室外から設置する場合は、外壁を取り外し柱に制振装置を取り付けるので、普段の生活に大きな影響はありません。
ただし、大掛かりな工事になるので費用は高くなるでしょう。
雨の日は工事できないので、天候によっては後期が長引く可能性もあります。
適切な工事方法や制振装置の種類は、住宅の構造や素材などによって異なるので、専門知識があり経験も豊富な施工業者に相談しましょう。
まとめ:制振装置は新築時の設置がおすすめ
制振装置とは、地震や風による揺れを吸収して抑制し、建物へ伝わりづらくするものです。
揺れを抑えることで、構造躯体へのダメージが減り、建物の変形や損傷を防ぐ効果があります。
耐震や免震と混同してしまいがちですが、建物の倒壊を防止する耐震や、揺れを小さくする免震とは効果が違います。
耐震性能が高い住宅に制振装置を導入すれば、より地震に強くなり安心安全な暮らしを手に入れられるでしょう。
制振装置の設置費用は新築時なら50万円ほど、リフォームでの後付けだと50万円〜100万円ほどかかるので、新築時に設置するのがおすすめです。
愛知県のハウスメーカーフジケンでは、地震に強い分譲住宅や注文住宅をつくっています。
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