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常識を飛び越える!水平思考でアイデアがあふれ出すChatGPT活用術
突拍子もない発想が新しいビジネスや日常を切り拓く。ChatGPTを使ったアイデア爆発法を今すぐチェック!思考の枠を壊して、大きく飛躍しよう!
◆ 水平思考(ラテラル・シンキング)とは?
定義
水平思考(ラテラル・シンキング)とは、物事を考えるときに「いつものやり方」や「常識」「固定観念」に縛られず、真横にジャンプするように新しい視点でアイデアを生み出す思考法です。
対比的に語られるのが垂直思考(バーティカル・シンキング)や論理的思考(ロジカル・シンキング)。この場合、ある問題が与えられたら、それを論理的に深く掘り下げて、正しい答えや筋道を追求するのが垂直思考です。
水平思考は、一見関係なさそうな情報を組み合わせたり、まったく別の分野からヒントをもらったり、あるいは全然違う角度で物事をとらえて解決策を出そうとします。
たとえば、学校の勉強で「テストが近いから暗記をしないといけない。でも全然覚えられない」という悩みがあったとしましょう。
垂直思考的なアプローチは「とにかく単語帳を何回も書いて覚える」「一問一答を何度も繰り返す」など、いま定番とされている正攻法で集中しようとします。
一方、水平思考的なアプローチは「そもそもなんで覚えられないんだろう?」「好きな音楽に歌詞のように覚える方法はないか?」「ダンスしながら覚えたら面白いかも」「友達とゲーム感覚でクイズ大会にしてみる」など、普通の勉強法とは違ったやり方を模索する考え方です。
結果として、思いがけない方法が大成功するかもしれませんし、逆に何も得られないこともあるかもしれません。けれども、こういう“発想の飛躍”を意図的につくり出すのが水平思考です。
水平思考の歴史や由来
水平思考という言葉を有名にしたのは、マルタ出身の医師であり、「思考法の世界的権威」として知られるエドワード・デ・ボノ(Edward de Bono)という人物です。
彼が提唱したラテラル・シンキングという概念は、企業の研修やクリエイティブな分野の教育でよく取り入れられます。
デ・ボノは「垂直思考は階段を1段ずつしっかり上る感じ。水平思考は新しい階段を探す、あるいは2階の窓から飛び込んじゃうようなやり方」とたとえています。
また、日本でよく知られる「ウミガメのスープ」という推理ゲームや、水平思考パズルが流行ったことがあります。これは「真実を知っている人に“Yes/No”で答えられる質問をして、謎を解く」というゲームです。
まっすぐ答えを導くというよりも、自由な質問を通じて、まったく別の視点から真相を推測していくところに面白さがありますね。
◆ 水平思考と垂直思考の違いを具体例で比較
ここで、簡単な例で比較してみましょう。
例:クラスの文化祭の出し物を決める
垂直思考の場合
まずクラスの状況や予算、時間などを整理する。
過去に先輩たちがやっていた出し物のうち、成功率が高そうなものを候補にする。
予算と人手の計算を行い、最終候補を何種類かに絞る。
一番効率が良く、お客さんを楽しませられそうな案を選ぶ。
水平思考の場合
「食べ物を出さない」という前提を逆手にとる。
「みんなが想像しない店ってなんだろう?」と自由にアイデアを出す。
「睡眠体験ブース」「クラス全員で空気イス」「参加型ミュージカル」「ロボット操縦体験」など突拍子もないものまで含めていったんブ rainstorm(ブレスト)する。
実現可能性が低いかもしれないが、「そもそも儲けなくていいのでは?」「一番バカバカしい案が受けるかも?」などあえて真逆の発想を試してみる。
このように、垂直思考は正攻法でじわじわ絞り込むのに対し、水平思考はわざと発想を飛ばし、今までにない答えを模索するのが大きな違いです。
◆ ChatGPTへの「水平思考で考えて」と指示する意味
ChatGPTの仕組みをざっくり理解
ChatGPTは大量の文章データから学習して、「次に来る言葉」を統計的に予測して文章を作るAIです。ただし、あくまでも「学習データ」や「パターン」に基づいているので、「水平思考で考えて」と指示をしても、本当の意味で人間のように“自分で考えて”常識を打ち破るわけではありません。
とはいえ、言葉の上で「水平思考」の指示を与えると、ChatGPTはなるべく“既存の常識や論理”にとらわれない言い回しや、関連が薄いアイデアを抽出しようとします。具体的には「普段の答えよりも、多面的な情報や例を探しだして盛り込もう」とか、「あえて無関係に見える要素を関連付けてみよう」という方向の文章を生成しやすくなる傾向があります。
◆ ChatGPTに「水平思考で考えて」と伝えるメリット
多角的なアイデアが出やすい
ChatGPTはすでに大量の情報を学習しているので、「水平思考でお願いします」と指示すると、普段より広範囲のアイデアや例を提示しようとします。特に、ブレスト(ブレーンストーミング)的な場面、つまり「とにかくアイデアが欲しい!」というときに効果を発揮しやすい。意外な発想のきっかけになる
ChatGPTの回答の中から「そういえば、こんなこと考えてなかった!」と人間が思いついたり、新たなアイデアのヒントを見つけたりすることができます。実際、「水平思考風」の答えを引き出してみると、論理構造が多少飛躍しているものが混じり、それがあなたの想像を刺激してくれます。一つの正解に限定されない
普通「答えがある問題」ばかりを考えると、どうしても答えは1つだけという前提で話が進みます。しかし水平思考を促すと、ChatGPTは「複数のシナリオ」「複数の可能性」を提示してくれることが多くなります。たとえば仕事の企画会議で、「A案かB案か」だけにとどまらず、C案、D案、さらには予想外のQ案まで出てくるかもしれません。ブロックを外す効果
何かに行き詰まっているとき、人は無意識に「これは無理だろう」「こういうやり方は変だろう」と心のブロックをかけがちです。AIに「水平思考で考えて」と頼むことで、機械的にブロックを外した返答がもらえ、そこから新しい発想の突破口が生まれる可能性があります。娯楽性が増す
雑談の場で「ちょっと面白いアイデアちょうだい」「変なジョークを思いつく?」「奇抜なストーリーを考えて」といった会話をするとき、「水平思考」の指示を出すとユニークな回答が増えることがあります。もちろん保証はできませんが、エンターテインメントの一種として面白がる活用法もあります。
◆ ChatGPTに「水平思考で考えて」と伝えるデメリット
回答が散漫・冗長になりやすい
論理的な一本筋を立てて答えを導くわけではないため、情報が断片的に広がったり、「とりあえず関係ありそうなことは全部言う」みたいな冗長回答が増える可能性があります。
→ たとえば「解決策を3つだけ欲しい」と思っているのに、10個くらい答えが書かれていて、読むのが大変になることも。実用性が低下する場合がある
水平思考の大きな特徴は、「常識を一旦脇に置く」ことです。しかし、現実的な制約(予算や法律、時間など)を無視したアイデアばかりになってしまう可能性があります。斬新だけど実行不可能、なんてことも多い。
→ ビジネスで実践するには、あとから垂直思考での精査が必要になります。質問の意図がぶれやすい
ユーザーが「これが知りたい」と思っても、水平思考であれこれ飛んだアイデアが出てくると、欲しかった情報がどこにあるかわからなくなってしまうかもしれません。
→ 「もっともらしい提案ばかりだけど、結局何も具体的な答えが得られない」というケースがあります。論理的整合性が崩れる
ChatGPTは基本的には確率モデルに基づいていますが、あえて“枠をはずそう”とすると、回答の矛盾点や論理破綻が増えることもあります。特に、数字を扱う話題や厳密性が求められる場面では、真面目に垂直思考で検証したほうがいいケースが多いでしょう。ユーザーの期待と異なる“飛躍”
人間が思う「こんなに奇抜な答え出るかも!」というレベルの“ぶっとんだ発想”にならないことも多いです。ChatGPTは学習データの範囲内で文章生成するため、急に完全に独創的な空想をするわけではありません。
→ 期待していたほどぶっ飛んだ案が出なくて、「なんだ、普通だな…」と感じることも。
◆ 水平思考と垂直思考の使い分け
ここで大切なのは、「水平思考が万能ではない」という点です。もしあなたが、カチッとしたロジックで“正確な答え”を手に入れたい場合、最初から最後まで水平思考を貫くのは逆効果です。逆に、アイデアがマンネリ化していて「別の見方を試したい!」というときには、水平思考を使うのが効果的。
ポイント
アイデアを広げる段階(水平思考)
いろんな可能性を一気に探るときに使う
あえて常識を疑って、問い方を変える
アイデアを絞り込む段階(垂直思考)
出てきたアイデアを論理的に吟味して、実現性や効率を評価する
「結局どれがベストか?」を決める
たとえば企画会議で最初は「ChatGPTに水平思考で案を50個出して!」と指示し、そこから面白そうなアイデアを10個に絞り、最後に「この10個のうち最も実現性が高いものは?」と再度ChatGPTや自分たちの論理力を使って厳選するのです。
◆ ChatGPTの回答例:水平思考 vs. 通常
通常モードの質問
例として「新商品のアイデアを考えてください。売上を伸ばす方法を提案してください」とChatGPTに聞いた場合、通常モードだと以下のような回答が想定されます:
例:「ECサイトでポイント還元キャンペーンを行う」「SNS広告を活用して認知度を上げる」「購入者特典を用意する」など
これはいわば、「すでに多くの会社が実施しているであろう施策のまとめ」といった無難な答えが返ってきやすい。
水平思考モードの質問
ここに「水平思考で考えてください。常識や既存の手法にとらわれない、新商品の売上を伸ばすためのアイデアを自由に提案してください」と加えるとどうなるか。
ChatGPTは「通常回答」とは違うパターンで応じようとしてくれます。たとえば下記のような想定例です:
例:「商品の使い方をまったく別の視点から撮影したショートムービーコンテストを開催する」「顧客が商品を買うたびにパズルのピースが送られてきて、完成すると特典がある」「逆に商品自体を無料にしてアフターサービスを大幅に充実させ、会費で収益化する」など
もちろん、これらは実際に役立つかどうかは別問題です。でも「あ、そんな考え方もあるのか」と発想を刺激される人がいるかもしれません。
◆ 水平思考にまつわる雑談・雑学
ウミガメのスープ
水平思考パズルとして有名なゲーム。「船が難破して漂着した男がレストランでウミガメのスープを頼んで、味見して激しく動揺した。なぜ?」という有名な謎。普通は「ウミガメのスープ=亀のスープ」を想像しますが、実は「ウミガメ」という単語にはダブルミーニングがあり…といった形で、常識を打ち破る発想が要求されます。(詳細はネタバレになるので割愛。)逆転の発想
「どうすれば売れるか?」を考えるのではなく「どうすれば絶対に売れなくなるか?」を先に考える、という発想転換の手法。これも水平思考の一種。ネガティブな要素から逆算して改善点を探し、結果的にヒット商品に繋げる例があります。関連キーワード:デザイン思考
近年ビジネスシーンで盛んに言われる「デザイン思考(Design Thinking)」も、利用者の潜在的ニーズや直感的理解を重視し、プロトタイプを作っては改善するというプロセスを繰り返します。これは論理的な手順でありながら、利用者の潜在意識に飛び込むという点で水平思考にも通じるところがあります。子どもの発想
「子どもは天才」とよく言われるように、固定観念に縛られていないために斬新な発想が出やすいです。ある意味では、子どもの視点をもう一度体験しようとするのも水平思考の狙いの一つです。「なぜ空は青いの?」「なぜ学校に行かなきゃいけないの?」といった素朴な疑問は、常識を見直す糸口となります。
◆ 水平思考でChatGPTを使うコツ
最初から最後まで水平思考で行くのではなく、一度大きく広げてから、論理的に絞り込むステップを忘れないこと。
目的に応じて適切に指示を切り替える:「斬新なアイデアが欲しい」ときは水平思考、「根拠やデータが欲しい」ときは論理的思考重視。
ChatGPTに期待しすぎない:あくまで大量の文章パターンから答えを出しているので、飛び抜けた奇想天外を求めすぎると拍子抜けすることもあります。
使い終わったあとにヒントを見つける:ChatGPTの回答を読んで、あなた自身が新しいつながりや発想を得るのが大事。
AIを“相棒”として捉える:AIとの対話の中で「そうそう、こういう方向もあるんだ」という気づきが得られれば、水平思考の大きな恩恵を受けられるでしょう。
ここまでが、水平思考に関するやさしい解説と、ChatGPTに対して「水平思考で考えて」という指示を出すメリット・デメリット、そして使い方のヒントでした。
みなさんの状況(たとえば何か新しいアイデアを探したいとか、ちょっと発想の壁を突破したいとか)があれば、ぜひChatGPTに色々と試してみてください。
「こんなのおかしいんじゃない?」と思った提案の中にこそ、新しい発見が眠っているかもしれません。
長くなりましたが、少しでもお役に立てれば幸いです。何かあれば、いつでも声をかけてくださいね。
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