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「台湾の小学校で習う漢字リストください」「ねぇよ」

前回のあらすじ

台湾のお友達(小学生)と定期的にビデオチャットをしようという話になりました。
お互い小学生の子供も一緒なので、話のタネに、何かためになることができればと考えました。
試しに、お互いまだ習っていない「漢字」を勉強する会にできれば…!とひらめき、下準備を進めているところです。


はじめに「台湾には学年別漢字配当表はない」

試しにスライドを1枚作ってみました。

「友」という漢字なんですが、日本だと小学2年生で習います。
ちょっと斜め具合とかはらいとかバランスが難しいですかね?

日本で習う漢字は文部科学省が学年別漢字配当表というものを作っていて、それに沿って教科書も作られています。なんだか当たり前のように感じていましたが、この漢字を網羅するように、教科書の題材を選ばないといけないんですね…! 難しい… というか、書き下ろした方が早そうですね…!!

台湾ではいつ習うんだろうと思って、ネットの情報を見ていたんですが、古い情報しか見当たらず、信憑性も怪しかったので、お友達に直接聞いてみました。

教育課程綱要「小学校で漢字2700字、中学校でプラス1300字。種別は問わん。」

えっ、漢字決まってないの…?

十二年國民基本教育課程綱要には目安となる文字数が定められており、教科書を作る会社の裁量で採用する漢字が決まるとのこと。

なんか異文化感がすごい。。きちんと制定しとかないと、抜け漏れがありそうですが、文章すべて漢字で書かれているので、どこかで目にするやろうし、自力でかけるやろうということでしょうか。
ほんと日本のひらがな感覚ですね。。

ちなみにですが、日本の常用漢字(高校卒業程度かな?)は、現在2136字。台湾の小学校でコンプされる勢いですね。。
常用漢字も、年々アプデされていますが、そういうのも台湾ではなさそうですね。。


「でも、教科書に載ってる漢字のデータベースはあるで。年別の。」「年別の…!!?」

教科書が毎年改訂される…のかは定かではありませんが、毎年学校で習う漢字をまとめたサイト(国の教育部運営)があるとのことです。

各学年、教科別、107〜113學年(2018〜2024年)分が掲載されていました。
教科書は、「南一」「康軒」「翰林」の3つの出版社だけっぽいので、そんなに扱う漢字の種類にブレはなさそうですね…! おそらくですが、各社と政府で網羅すべき漢字リストみたいなのは持ってて、最低限のチェックみたいなのは流石にしてるとは思うのですが…どうでしょうか??

でも、このサイトで、何年生ぐらいにこの漢字を習うのかが調べられますね!!
試しに「友」を検索してみました。

https://pedia.cloud.edu.tw/Bookmark/Textword/?keyword=%E5%8F%8B

「一年級」とあるので、一年生で習ってるっぽいですね!!

「ていうか、常用漢字より頻出漢字の方が重要じゃね?」「…確かに!」

日本でも、あまり日常で使われない漢字は、小学校では習わず、後回しになることが多いかもですね。
きっと、台湾政府や出版社も頻出語をチェックして、カリキュラムを考えていそう…!

で、そんな都合の良いリストあるのかなぁと聞いてみたら、きちんと国の機関が統計データをまとめられていました。

- この表の語順は頻度の高い順に並んでいる。
- この表には5021の単語が含まれ、総字数は1206977回である。
- 非標準文字の使用を理解するために、すべての異なる文字を独立させて表し、()を加えた。
- この表の頭字は『改訂中国語辞典』に基づいている。

https://language.moe.gov.tw/001/Upload/files/SITE_CONTENT/M0001/PRIMARY/shrest2-1.htm

以下が辞典に頻出の漢字リストです。

1 的
2 一
3 是
4 了
5 不
6 我
7 有
8 在
9 人
10 來
11 大
12 上
13 這
14 到
15 們
16 個
17 小
18 你
19 子
20 他
21 以
22 好
23 為
24 就
25 生
26 要
27 說
・・・

うーん、辞書の説明で使われていそうな漢字!!
でも、統計的に見ると、一般的に書き・話し言葉で使われている漢字の分布と同じなのかなぁ。

27番目以降はPDFで書き出された方がいらっしゃったのでこちらから↓

でも、頻出具合って、言葉の学習には良い指標かもですね♪
英語の学習でも「頻出ワード」って結構頼りにしがちですし…!
私も、題材探しの参考にさせてもらおうと思いました…!!


おわりに「なんやかんや検索ソースは揃った」

いろいろ教えていただきましたが、各種検索データベースが充実していることがわかったので、あとは適当に調べればなんとかなりそうかなぁと思いました!!

子どもたちも、漢字とか歴史とか文化とか、興味を持って楽しく学んでくれるといいなぁ〜


おまけ1: 頻出漢字の「麼」←なにこれ?

こんなん日本語にないやんか!と思って調べたらありました。
「こまかい」「小さい」という意味らしいです。

ちなみに部首は「麻(11画)」。「广(3画)」で調べてたので、全然見つからなかった…
疑問文とか接続詞で使われるので、頻出漢字のようですね。


おまけ2: 成語故事(故事成語のこと)

日本でも馴染み深い故事成語。台湾の学校でも習うみたいですね。
いまいち、どの程度歴史的配慮をしてよいのか分かりかねているのですが、大陸政府と分かれるまでの歴史は、東アジア圏では共通認識と言ってよさそう…?かな??

漢字リストが掲載されていたサイトにも故事成語リストがあったので見てみることに。

…えっ、少なない!?このサイトで説明されているものは…ということだと信じていますが。。

教育部の「成語典」って、故事成語(故事だけではないかも)の辞典だと思うのですが、どうでしょう?
収録数が掲載されてませんが、こっちにフルコンされている感じでしょうか?

試しに「友」で調べてみることに。

荘子は戦国時代の道教思想を代表する有名な人物で、その著書『荘子』には人生理解について多くのことが書かれている。
たとえば、『大師』の中で、子思、子魏、子李、子来の4人が語り合い、「『無』を自分の頭、『生』を自分の背骨、『死』を自分の尾骨と見ることができる人、あるいは無と生と死が一体であることを悟ることができる人と私は友達になろう。」と言ったことが記されている。 その結果、4人は、生命は無から有に至り、最後には死、すなわち無に戻ることを悟った。 その結果、4人は顔を見合わせて笑い、互いに同じ感情を共有し、親しい友人となった。 その後、「莫逆之交」という慣用句は、「莫逆於心(莫逆於心)だから友達になった」(相與為友)という原句から発展したもので、同じ気持ちを共有し、お互いを疑うことのない友人を表す言葉として使われるようになった。

「莫逆之友」- deepl.com

なんか中学か高校のときに、漢文で読んだことがあるような、ないようなやつ!!

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