乳がんと心*人生の岐路に立つ
35歳の時、初めての人間ドックを受け、結果、乳がんと診断されました。ステージ2という段階で、Her2陽性という種類です。
その頃、私は保育園児の子供2人のワーキングマザー。がんという私の勝手なイメージにより、死というものを初めて意識し、私が居なくなる子供たちへの心配と子供たちと別れるかもしれない哀しみにいました。診断された翌々日まで動けなくなるぐらい精神的ダメージが受けました。
それから、手術のための検査を数日受け、あっという間に手術となりました。
しかし、入院中に微かに安堵を感じたのです。「やっと少し休めた」と。哀しみの淵にいたのにそんなことも思うものなのだなと人の気持ちの複雑さを感じました。
人間万事塞翁が馬、がん専門看護師さんが教えてくれた言葉。どんなことも良いことと悪いことは表裏一体。私は何が大切で、どうしたいか、私を知る旅に出ました。そう与えられたチャンスだったように思えます。