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墓じまいに必ずついて回る問題「離檀料」問題
故郷の墓じまい、こんな悩みありませんか?
「お墓を継ぐ人がいない」「遠くてお墓参りに行けない」「墓じまいって何から始めればいいの?」
特に、東京などの大都市に住む地方出身の方や、地方在住の高齢者の方にとって、故郷の墓地を整理するのは大きな悩みです。
今回は、墓じまいに必ずついて回る問題である「離檀料」について、法的な側面から解説します。
1 離檀料とは? ~その意味と背景~
寺院墓地にお墓を設置する場合、原則としてそのお寺の檀家(だんか)になることが前提となっています。
檀家とは、決まったお寺の信徒になり、お布施や会費を払い、そのお寺を経済的に支えることによって、人が亡くなった時の葬式や法事といった供養をしてもらえる家を指します。
檀家制度は、江戸時代から日本の生活に根付いており、寺院の運営を支える重要な役割を果たしてきました。
檀家は、お寺の行事に参加したり、お墓の管理を任せたりすることで、地域社会との繋がりを深めてきた歴史的な事実があります。
しかし、近年、ライフスタイルの変化や核家族化が進み、檀家制度も変化を迫られています。
特に、地方の過疎化が急激に進み、お墓の承継者がいなくなるケースがますます増えています。
お墓をやめて墓じまいをする時は、そのお寺から離檀(りだん)することになります。
その際、お寺側からこの離檀を理由に、すべてのお寺がというわけではありませんが、「離檀料」を請求される場合があります。
離檀料は、これまでお世話になったお寺への感謝の気持ちとして支払うという考え方が一般的です。
しかし、その金額や支払い義務については、明確な決まりがあるわけではありません。
2 離檀料の法的位置づけ ~支払い義務はあるのか?~
法的に見て、離檀料を支払わないといけないという根拠はありません。
民法上、人は自由に契約を結び、解除する権利があります。檀家契約も同様に、信徒としての義務を履行していれば、いつでも解約することができます。
ただし、特定のお寺の檀家になる、というような契約を取り交わした場合は、その契約書に解約の規定がある場合は、その規定に従う必要があります。
しかし、実際には、いつ檀家として契約したのか、江戸時代からなのかどうかすら書類が残っていないという場合が大半かと思います。このような曖昧な状況であれば、なおさら法的な義務というものは、裁判所で争ったとしても証拠がない状況となり、争う基本的なものがないということになります。
このようなことになると、離檀料というのは、あくまで気持ちの問題であり、これまでご先祖の供養をしていただいたということに対する御礼という形かと思います。
3 離檀料の金額によるトラブル ~高額請求されたら?~
墓じまいを円滑におこない、今後の憂いを無くしてスムーズに物事を進めたいというのが世間的な常識かと思います。
お寺側から離檀料を請求されて、もしその金額に納得でき、十分ご自身で支払いが可能であるのなら、その請求された離檀料お支払いをすること自体は、問題はないかと考えられます。
しかし、中には、社会常識を逸脱するような、かなり高額な離檀料を請求するお寺も存在するのも事実です。(実際にそういう相談がありました。)
もし、どう考えても、社会常識以上の超高額な金額を示された場合は、現在の収入関係や財産関係、特に高齢者の方の年金生活状況などについてお話をされて、とても支払えないと伝える必要があります。
お寺も人間ですので、事情を理解してくれれば、減額に応じてくれる可能性もあります。
もし金額の交渉に応じてもらえないようであれば、一旦家族や親せきと相談したうえで再度相談すると伝え、その場で離檀料の金額を決めない事です。
まして、書類とか契約書のようなものに、いきなりサインをするということをしてはいけません。
一旦持ち帰って、市町村の消費生活センターや弁護士など、専門家に相談することをお勧めします。
4 専門家への相談で安心を
墓じまいは、法的な手続きや寺院との交渉など、複雑な手続きが必要です。
そこで、専門家である行政書士に相談することで、スムーズな墓じまいを進めることができます。
当事務所では、墓じまいに関する相談を承っております。お気軽にご連絡ください。
5 まとめ
墓じまいは、決してご先祖様をないがしろにするものではありません。
むしろ、時代の変化に合わせて供養の形を変え、未来へと繋ぐための選択と言えるでしょう。
当事務所では、お客様の気持ちに寄り添い、最善の解決策をご提案いたします。
この記事を読んで、少しでも墓じまいについて考えるきっかけになれば幸いです。
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