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3月末までの取組み②(2月5日現在)

 前回の「3月末までの取組み①」で現年課税分と滞納繰越分に分けた取組みを説明しました。

 年度末に向けてこの時期に処理しておかなければならないことについて、今回改めて説明します。それは滞納繰越分の不良債権処理です。滞納繰越分ですから3月末で令和5年度の実績は終了します。そのため滞納処分の執行停止事案を2月末までに資料を整えて、決裁に回す必要があります。

 根拠は地方税法第15条の7第1項「滞納者につき次の事由の一つに該当するとき事実があると認められるときは、執行停止することができるとされています。①滞納処分をすることができる財産がないとき(無財産)、②滞納処分をすることによってその生活を著しく窮迫させるおそれがあるとき(生活困窮)、③滞納者の所在及び財産がともに不明であるとき(所在・財産不明)。執行停止をした自治体の徴収金は納付納入する義務は、その執行停止が3年間継続したときは消滅する(地方税法第15条の7第4項)。また、自治体の徴収金を徴収することができないということが明らかなときは、自治体の長はその徴収金を納付し、納入する義務を直ちに消滅させることができる(地方税法第15条の7第5項)。

 これは、執行停止のまま3年間の経過を待って納付納入義務を消滅させることに実益がないため、納付納入義務を即時に消滅させるものです。この規定を活用して、実務では「執行停止・同時欠損」、「執行停止・即時欠損」処理により不良債権処理の促進を図っています。「執行停止・同時欠損」は、執行停止処分の段階で近い将来財産の回復が見込めないときに該当するものとして処理する。当該年度末で不良債権が消滅する。ただし、この近い将来の定義については、いろいろな考えもあると思いますが私的には10年も20年も先の将来というのではなく、3~4年先の将来という考えで十分だと思います。

 もう一つの「執行停止・即時欠損」は、執行停止事案を1年後の翌年に再度臨戸や財産調査などで状況を確認することで、執行停止をした段階より状況が悪化し回復の見込みがないと判断した場合には、その段階で即時欠損処理をすることで不良債権の処理を促進することです。もちろん納付能力が回復していた場合には、執行停止を取消処分として滞納整理を進める必要があります。出来れば、執行停止事案を翌年度必ず再調査するという習慣を身に着ける必要があります。こうすることで不良債権の額を徐々に圧縮することも滞納整理のマネジメントと考えます。
 

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