[#49] AI進化の歩み: 生成AIからAIエージェント、そして業務自動化の未来
2023年: 生成AIの飛躍的進展と普及
2023年は、AIが一気に身近な存在となった年でした。OpenAIのChatGPTがリリースされ、その使いやすさと多機能性から急速に注目を集め、生成AIが一般化しました。この年を境に、多くの企業が生成AIを活用した業務効率化を進め、顧客対応やコンテンツ生成などの分野で成果を上げるようになりました。また、GeminやClaudeといった新たなAIモデルが登場し、生成AIの競争はさらに激化しました。これらの技術は、単なるツールを超えて、クリエイティブな仕事を支援するパートナーとなりつつあります。
2024年: AIアシスタントと業務自動化の台頭
2024年には、AIを活用したRAG(Retrieval-Augmented Generation)技術が企業に広まり、AIアシスタントの誕生が本格化しました。RAGは、ナレッジデータを検索して即座に最適な回答を生成する技術で、企業の顧客対応や内部資料の検索作業を効率化しました。これにより、AIアシスタントは単なる質問応答にとどまらず、複雑な業務支援にまで進化しました。
また、企業内での自動化やCompute USE、MCPのような技術が進展し、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)との融合が進みました。これにより、業務の自動化や効率化がさらに加速し、人間の手をほとんど必要としない運用が現実のものとなりつつあります。さらに、AIを活用した動画生成が多くの企業で試験運用され、コンテンツ制作の分野でもAIの役割が拡大しています。
2025年: AIエージェント時代の到来と業務自動化の二極化
2025年に向けて、AIは「AIアシスタント」から「AIエージェント」へと進化することが予測されます。AIエージェントは、単に指示を待つ存在ではなく、より高度な意思決定や判断を自ら行い、ビジネスの意思決定をサポートする存在となるでしょう。この変化は、AIがさらに業務の中核を担うことを意味します。
また、自動化とRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)という2つの潮流がますます顕著になり、企業における業務自動化が一層進みます。RPAが反復的な業務の自動化を推進する一方で、AIを活用した自動化は、より複雑で高度な業務や判断をAIが担う形に進化していきます。これにより、業務の自動化と効率化の進展は加速し、企業の競争力を大きく左右する要素となるでしょう。先日新しく出たMCP、簡単に言うと「AIアシスタントと色々なデータやツールを安全に繋ぐための共通言語」です。これが実用化されることで、AIアシスタントが直接さまざまな社内データベースやクラウドサービス、外部APIなどにアクセスできるようになり、より高度な活用が可能になります。
さらに、ローカルDBとローカルLLM(Large Language Models)、すなわちローカル環境で動作するAIモデル(SLM: Small Language Models)の普及が予想されます。これにより、データのセキュリティやプライバシーを重視する企業が、自社内でAIを活用できるようになります。ローカルLLMは、クラウドサービスに依存せずに、企業独自のデータを元にAIをトレーニング・運用する可能性を広げ、特に高度なプライバシー保護が求められる分野での活用が進むでしょう。
結論
AIの進化は、今後ますます加速し、企業や社会に大きな変革をもたらすことは間違いありません。2023年から2025年にかけて、生成AI、AIアシスタント、そしてAIエージェントが業務の中で重要な役割を果たし、業務自動化と効率化が進むとともに、新たな技術革新が生まれるでしょう。私たちが迎える未来は、単にAIをツールとして使う時代から、AIがビジネスの意思決定を支え、日常の業務を自動化する時代へとシフトしていくことになるでしょう、その為にも「現場力」をさらに高めていきましょう。