音楽の授業が嫌いだった話
「学校教育に音楽の授業っている?」
という趣のポストが流れてきました。
その人いわく「音楽の授業で音楽が嫌いになった人がまわりに結構いる」とのこと。
特に中学の時、僕は音楽の授業が大嫌いだった。
理由は一つ。
テストの時、みんなの前で一人ずつ歌わされるから。
S本という背が大きくなくて毛髪量が控えめでいつも三つ揃えのスーツを着たおっさんの先生だった。
入学式でひときわ大きな声で校歌を歌っていた。
男は苗字で呼ぶのに、女子生徒は「なおみ」とか「ゆうこ」とか名前を呼び捨てで呼んでいて、とても気持ち悪かった。
運が悪いことに音楽は3年間そいつが担当で、なんなら2年生の時にはクラス担任だった。
なんでみんなの前で歌わされるのかさっぱり分からない。
数学の定期テストで一人ずつ順番に前に出て問題を解かされるなんて聞いたことがない。
内気な女の子などは、顔を真っ赤にして震える声で歌っていて、本当に気の毒だった。
逆にめちゃくちゃ大きな声で正面向いて歌う女の子は陰で「英雄」と呼ばれていた。
僕はいつも歌わなかった。
前に出て、S本がピアノで伴奏している間、いつもずっと黙っていた。
せめてもの抵抗だった。
「藤井、それやったら0点やぞ」
「それでいいです」
自分で言うのも恥ずかしいがおとなしい生徒だったので、それ以上言い返さなかった。
でもブラッシュアップライフばりにあの時に戻れたら言い返したい。
どうせ0点なら、言い返して0点になりたかった。
ちなみに笛のテストや筆記試験は普通にやったので、通知表は5段階評価で2でした。
笛はみんなの前で吹くんかい。と今思った。
そんなこんながあって、僕は音楽の授業が大嫌いだった。
高校生になったら、芸術系の授業は選択だった。
音楽、美術、書道から選べた。
僕は絵を描くのが好きだったので美術を選んだ。
音楽の授業を選ぶやつが信じられなかった。
しかし後から聞いてみたら
歌のテストはあるけれど、一人ずつ横の小部屋に呼ばれてのテストだったらしい。
いや、そうあるべきやろ!
中学の頃からそうしてくれてたら、音楽の授業を嫌いになってなかったかもしれない。
そうやってくれたら下手なりに一生懸命歌ったのに。
そう思うと、僕は音楽の授業ではなくて、あのS本という音楽教師が嫌いだったのかもしれない。
ちなみに高校時代の音楽の先生は、40代の男の先生だった。
大柄でお腹が出ていて毛髪量が控えめでくちびるが分厚く、あだ名は「ハクション大魔王」。
ハクション大魔王は、僕らが入学してすぐ2週間ほど休んでいた。
有給をとっての新婚旅行だったらしい。
後に相手を知ってひっくり返った。
ハクション大魔王の花嫁さんは、彼が顧問をしている吹奏楽部にいた
僕らが入学する直前の卒業生だったらしい。
ああ
なるほど。
やっぱり僕は音楽の教師が嫌いだ。笑