広島参院選、野党勝利に思う

 参院選の大きな勝因は、野党が結束して宮口治子さんを支援したことだ。立憲、社民、新社会の従来からの枠組みに共産が加わった。もっと強固な野党共闘ができれば総選挙でも自民に勝つことは可能である。自民の牙城である広島で勝てば、政権が変わる。そんな展望と一方で課題も見えた選挙だった。

 3月28日に市民連合が開いた集会は160人もの参加者で盛り上がった。宮口さんが市民の前で初めて決意を語り、政党代表も相次いで支援を表明した。なかでも共産は県委員長自らが「市民連合と宮口さんが結んだ政策協定を評価して全力で支援する」と初めて表明した。

 しかし、共産関係者が宮口候補の傍で応援することはなかった。大きな力を持つ連合が嫌がっているとの声を聞いた。共産支持者からは不満が出た。最終盤に志位和夫委員長が市民連合の集会に参加して、立憲民主の平野博文代表代行とエールを交換する「儀式」までしてやっと共闘が維持された。

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総選挙は、今回のような生ぬるい野党共闘では勝てない。自民は相当の覚悟で巻き返してくる。ただ、河井夫妻の大規模買収にからむ1億5000万円の出所をめぐって自民の最高幹部らが見苦しい弁明を繰り返しているように、この問題は解決していない。長引くコロナ禍で自民にはマイナス材料が山積する。野党が結束して自民・公明に変わる政権の選択肢を打ち出せば、十分に勝機はある。それが可能なことを実証したのが広島参院選だった。

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