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労働時間の短縮が日本再生の道

日本のスーパーで店員は立ってレジ打ちする。ヨーロッパでは店員は座っている。日本の店員は客にお辞儀をして「ありがとうございまいた」と言う。かの国々ではそんなことは言わない。客が籠から商品を出すのに手間取ったりすると舌打ちをしてくる輩もいる。

さて、どちらがいいのだろう。舌打ちはやめてほしいが、座ってレジ打ちするは正解だと私は思う。日本のスーパーで「当店は店員の健康維持と業務の効率化のため店員が座ってレジ打ちすることにいたしました。お客様のご理解とご協力をお願いいたします」と、店頭に掲示すれば、店の評価は高まるのではないか。考えてみれば、立ったままレジ打ちすると、腰は痛くなる、脚は疲れるなど労働者の負担は大きい。脚が不自由な人には、無理な労働だ。座ってレジ打ちするようになれば、労働負荷がかなり軽くなる。健康にもいいし、効率も上がるだろう。障がい者も働けるようになる。いいことづくめではないか。「お客様に失礼」という固定観念にとらわれていると出てこない発想である。海外旅行すると、日本の常識が国際的には非常識なことに気づかされる。

ヨーロッパの商店は土日、祝日は休みのところが多い。観光地でも結構休んでいるし、午前中だけの営業だったりする。日本では書き入れ時に休むことはなく、曜日を変えて定休日を設けるのが常識だ。どちらがいいのだろう。
私は、商店勤務ではないが、土日祝日関係のない仕事してきた。子どもたちの学校行事には何とか都合つけて参加する努力はしてきたが、十分にはできなかった。社会が休む日は原則どこもお休みというヨーロッパの習慣のほうが合理的で社会のためになるのではないか。

ヨーロッパの会社では、子育て中の人は午後4時に帰るのが常識という。会議中であろうと、4時になれば席を立つ。誰も文句は言わない。子どもを迎えに行って帰宅するのだ。フィンランドでは子育てに関係なく、多くの労働者は4時帰りと、最近聞いたが、始業が午前8時と早いそうだ。残業当たり前、仕事が終わってから会議なんてことが常識となっている日本は、やはりおかしな社会だ。

このような労働環境はたぶん、労働組合や市民運動の力で勝ち取ったのではないか。経営者は午後4時に堂々と帰れる制度を黙って作ってはくれない。ストライキもして勝ち取った成果だろう。結果的には社会のために良い制度なのだ。育児中は男女とも短時間勤務が公認されていれば、安心して共働きもできるし、子どもを産もうという気持ちにもなるだろう。何より子どもは社会の責任で育てるという哲学がその背景にはある。さて、日本はどうだろう。肝心の労働時間短縮には後ろ向きなのなぜだろう。

日本の常識は世界の非常識。これを正していくことが、私たちの暮らしを豊かにし、結果として、日本の経済力を再び高めることにつながる。かつてのような過労死までさせて築いた経済大国とは違う日本が見えてくる。

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