広げれば広げるほど薄まる
昨日本棚から久々何年ぶりかにある本を手に取りパラパラと
ページをめくってみました。その本とは、
『コンサルタントの秘密ー技術アドバイスの人間学』 (G・M・ワインバーグ著)
です。すでにお読みになった方もいらっしゃるかなと思います。
私が中小企業診断士試験に合格したときに、試験勉強中にお世
話になったTACのある先生が、「コンサルタントになったら読
んだ方がいい本」と、ブログか何かで勧められており、合格
後さっそく購入。でもそのときは、ふ~んなんかごちゃごちゃ
書いてあるなぁと。。
昨日なぜだかふと読みたくなり、読み返してみました。
そして、気になったのが、
”広げれば広げるほど薄まる”
「ラズベリージャムの法則」といわれているものです。
少し長いですが、引用します。
皿洗いという仕事は、仕事の対象に対する、満足感のある親密
な関係を与えてくれる。私の手がすることは、何にせよただちに
清潔なフォークとか、こわれたソーサーとか、きらきらしたゴブ
レットとかいうものに反映される。(中略)ときに敗北は喫する
ものの、私はより多くの栄光を勝ち得るすべを身につけてゆくこ
とができる。そしてそれが職業上の満足感の本質的部分なのだ。
皿洗いコンサルタントとしての私は、この直接的な満足感を
得ることはできない。(中略)
皿洗い作業への直接的参加ができなくなる埋め合わせとして、
コンサルタントとしての私は世界中のぬるぬるや、べたべたや、
うす汚れに対してずっと広範囲の影響力を及ぼせることに満足
する。100個のカップを洗うのにかかると同じほどの時間があ
れば、私はほかの二人の人々に、私がいないときでも仕事がや
れる方法を教えてやることができる。つまり、質で損した分を
量で取り返すのである。
皿洗いの仕事と、皿洗いコンサルタントを例に引いて、
自分で直接皿を洗うと、やった分綺麗になったことを実感でき、
満足感が得られる。 いわゆる質の追求。
皿洗いコンサルタントの場合には、直接作業をするのではなく、
実際に皿洗いを行う人に対して、アドバイスを行う。自分一人が
作業するよりも、たくさんの量の皿を洗うことが出来る。
パンにジャムを塗るときのように、広げれば広げるほど、自分が
影響を及ぼすことができる面積(量)は大きくなっていくが、そ
れを行うことによる直接的満足度(質)は、もしかしたらどんど
ん薄くなっていくのかもしれない。
これって、「トレードオフ」の話しにもみえます。
自分ごととして考えた場合、ちょっと欲張りですが、影響として
の拡がりはほしい、でも直接的満足度もほしい!
でも昨日の投稿、「100人のうち1人に刺さればいい」
これを考えると、やはり最初は、拡がりよりも身近な人への満足
度、こちらの手応えを感じたいし、それが口コミで徐々に拡がっ
てくれればいいかな、と感じたのでした。
3月に入り、最初の週末、土曜日です。よい週末を!
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