今年の夏が終わるまでに
私が産まれたときにはすでに平成だった。
だから元号が替わるときを知らない。
日本人は"限定"が好きなんだと思う。期間限定とか数量限定とかそういうやつが好きなのだろう。コンビニに行くとチョコレートやジュースなんかに期間限定の文字がついていると私は自然に手に取ってしまう。
だから、私は"平成最後の夏"という言葉にむやみやたらに引かれているのだろう。
なぜだろう、私の恋はいつも夏なのだ。
だからなのかなんなのか、“平成最後の夏“にも私はいつもの夏のように恋をしている。
吊り橋効果みたいなものが私の夏にあらわれるのだろうか、ドキドキしていたら一人の女性が目に留まってしまっている。
一挙手一投足のすべてが気になり、気づけばじっと見つめている。用もないのにLINEを飛ばしたり、周りの目を気にせず全力で追いかけている自分はまだまだ若いのだろうか。
“平成最後の夏”は今年しかない。少し違った言い方をすれば、
“今年の夏”は今年しかない。
平成の次の元号が終わるときに、もし、私も立ち会うことが出来るのならば、
「あの“平成最後の夏”は楽しくて暑かった。ワクワクしていた」
なんて言えたのなら、ものすごく素敵なんじゃないかと思う。
その横にその人がいたらもっと素敵だろう。
私の生まれた平成が終わるのだ。特別な年にしてもいいじゃないか。
さあ全てを平成と夏のせいにして一歩踏み出そう。
好きなあなたとお酒が飲みたい。
好きなあなたとどこかに出かけたい。
好きなあなたと一緒に歩きたい。
神様、夏だし、最後だしすべてどうにかしてください。
最高の“平成最後の秋”を迎えるために……
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