電車から、いつもとは逆の風景を見ると…
伊豆半島に向かう踊り子に乗った。
仕事が一段落したので、母を連れて温泉に向かうためだ。
いつもは伊豆諸島ばかり行っている私だが、今回はある人からおすすめしてもらった旅館で1泊過ごすことにした。
少し値段は張るけれど、とても居心地がよく、温泉から海や島々が一望でき、なにより夜ご飯が豪勢らしい。
心を踊らせながら踊り子に乗り込むと、そこには今はもうほぼ忘れ去られた風景が飛び込んできた。
手動で開けられる窓、和式のトイレ、昔ながらの椅子…。ついこの間(といってもいつだったのか)までは、特別でもなんでもない風景だったが、なんだかとってもレトロに見えて、「わぁ、タイムスリップする」と感じた。
東京を去り神奈川を抜けた。
「ほら、外を見てごらん」
本を読んでいた私に、母がそう言ってきたので窓の外を見ると、いつの間にやら海が広がっていた。
「あ、伊豆大島だ」
遠出をするとなるといつも伊豆諸島に向かう私。仕事というのはもちろんだが、何より好きだからだ。
電車が進むに連れ、伊豆大島、利島、新島が見える。
いつもは伊豆半島を見ながら「あの先っぽが下田だね」と話しているのに、今日は逆でなんだか新鮮だ。
目的について目に飛び込んできたものは「椿まつり開催中!伊豆大島」という垂れ幕。伊豆半島にいようとどこにいようと、やっぱり伊豆諸島が好きなのは否めない。
部屋からも温泉からも見られる伊豆諸島。
やっぱり私、伊豆諸島が好き。
そんなことを思いながら、伊豆半島で心と身体を癒やして行こうと思う。