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餃子屋で気づいた焼売の価値

カレーは無限に広がる宇宙だと聞いたことがある。カレー粉を使えばどんな食材を使っても必ずカレーになるからだろう。それなら餃子も宇宙である。ひき肉にニラやキャベツを混ぜて皮で包み焼くのが一般的だが何を入れてもいい。世界中に餃子のレシピは無限にある。

ミシュランでビブグルマンをとった餃子の有名店に行った。焼き、揚げ、茹でと三種類の餃子があり全て食べたが物足りなかった。どんなに有名な店でも自分の好みと一致しなければそれはただの餃子だ。流行や評判で来店は促せても味覚はだませない。どんなに映えてもだ。

再びメニューを見て焼売に目がとまり注文した。具は餃子と同じだと軽い気持ちで食べたが旨かった。明らかに旨かった。これまで焼売が餃子より目立つことはあっただろうか。餃子が宇宙なら焼売は月のような存在ではないだろうか。それから餃子が有名な店では焼売も食べるようになったが、高確率で焼売が旨いことに気がついた。

餃子の有名店では餃子に力を入れて仕込みの量も多いと思う。料理は少しだけ作るよりたくさん作った方が旨いと聞いたが、量が多すぎると味の決め手が散じるときもある。焼売はサブメニュー。仕込みの量も少ないから味がまとまりやすいのだろう。

世の中を見てほしい。あらゆる手を使い有名になったふりをして流行をつくり、大量生産したものがある。僕はそれを否定するつもりはない。大切なのは受け取る僕らがそれを自分でジャッジできるかだ。餃子が有名な店の焼売のように、自分の舌で判断して星をつけていきたい。

カレーは無限に広がる宇宙だと冒頭に書いた。カレー粉を使えばどんな食材を使っても必ずカレーになる。どんな食材を使っても。



Podcast | 藤田哲平のアラオネ

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