またのご利用お待ちしております
近所の本屋がもう少しで閉店する。
昨日、その本屋で本を購入すると「またのご利用お待ちしております」と言われた。
僕はなんだか寂しい気持ちになった。この店員のおばさんはどういう気持ちで「またのご利用お待ちしております」と言ったのだろうか。その言葉にはどこか様々な気持ちを噛み締めて言っているような、単に店の接客定型文のような感じで言っているようには聞こえなかった。
実のところ、近所の本屋が閉店してしまうことは、僕にとってもショックがかなり大きい。暇な時に立ち寄っていたし、ふらっと寄れるのが好きだった。
引っ越してから約10ヶ月、そこまで長い期間本屋にお世話になった訳ではないが、今までお疲れ様でしたと心から言いたい。
お店には、感謝のメッセージが沢山書かれており52年間ありがとうとメッセージが。52年。自分の歳の2倍以上だなあ。すごいなあ。そんな風に思っていたら余計寂しさが募った。
お店に別れがあるように、人にも別れがある。その別れは時に少しのこともあるし、10年以上会わないことも一生巡り合わないこともある。出会う人全員に八方美人をする必要はないと思うが、「次この人といつ出会うかわからない」そう思うと少しは、一つ一つの出会いを大切にしていきたいと感じる。
明日会う人でも、しばらく会わない人でもさよならはいつか分からない。「あの時もっとちゃんと言えば良かったなあ。」と思いたくない。あの本屋のおばさんの清々しく、少し切ない「またのご利用お待ちしております」のような「またね」を言いたい。