「トイレの神様」植村花菜
さっき、クルーズ版で「トイレの神様」について書いた。わりと重苦しい書き方をしたので、こっちでは、もう少しさらっと書いてみようかな、と。
個人的に泣きツボなのは、
♪どうしてだろう?人は人を傷つけ 大切なものをなくしてく
というフレーズで、じつはこの作品中、唯一の人生観っぽいメッセージなんですね。普通はもっといろいろ語りたくなるところ、これだけにとどめてるのは、じつはものすごく、効果的な気がする。
あと、やっぱり、大阪的な「泣き」なんだろうな。
♪新喜劇録画し損ねたおばあちゃんを泣いて責めたりもした
吉本新喜劇というものもまた、クライマックスに「泣き」のシーンがあり、その後にもう一度「コケ」させて幕となるのが、お約束で。「ゲゲゲの女房」より「てっぱん」のほうが泣けるのも、僕が新喜劇を見て育った人間だからかもしれない。
あと、寺岡呼人のアレンジも、いい意味であざとい。プロデューサーとして、作品の成立にも深く関与してるとかで、ジュンスカからゆずを経て、何かをつかんだんだろうね。
(初出「痩せ姫の光と影」2010年11月)
「トイレの神様」の世界は「てっぱん」のそれとちょっと重なる。朝ドラつながりでいえば、現在再放送中の「オードリー」も。屈折した女の子の成長物語。それに優る魅力的なものはなかなかなくて、その究極が痩せ姫の葛藤なのだろう。
さて、この過去記事まとめ2010年版も11月末まで来た。これのおかげで、新しい記事の執筆が滞りがちという問題はあるものの、自分の思考と志向(嗜好?)を確認できるなど、意味は小さくないと考えている。
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