実体としての私は要らない~かすみ嬢の居場所(67)
綺麗になりたいだけなのに…!って思うの。
ただ、私の「綺麗」と世の中の「綺麗」が同じとは限らない。それをわかっていながら、もがいている自分がまたもどかしく、ときに迷ってしまうあたり、まだまだだなぁと思うのですが。
痩せ姫になりたい、という夢を抱いています。
それが誰かに踊らされているものであろうと、でも、確かに私自身が望んだことなのだから。その結末の責任は私が取るしかないし、その覚悟はとうに決めています。
外野にどうこう言われる筋合いはない。痩せることを追求できる今の環境が、すごく幸せで。こんなふうにひとつのことに打ち込めること。まるで俗世から離れた修行みたいに、少しずつ高みを目指している感じがして、好き。
痩せることだけを追求するって決めてから、心だけは日に日に澄み切っていくような気分です。
でも、
「徹底的に痩せよう痩せようって突き進んでいる貴女は、刹那的な生き方をしているように見える」
とのお話。
痩せ姫って長期目標がある時点で、じつは刹那的ではないのだけど、
「その生き方の先に待ち受ける未来は死だよ」
ってところを刺されると、反論の余地もないね。
そして、それに続いた、
「痛々しいを超えてその姿じゃまるでホラーだよ」
って冗談めかして言われたその台詞には、曖昧なお返事しかできませんでした。
気味が悪く見えるものね。嫌なものを見せてしまってごめんなさい。
ただ、死に憧れる、はその通りなの。
「塩の街」って物語があってね。
内容はさておき、人が最期に塩になって死ぬ世界のお話で。最期に海に入りながら海に溶ける死に方も、風化してさらさらと形を失う死に方も、私がもしできたらいいのになって思っていました。
今もじつはそう。
私の言葉とか、そんなものは残ったらいいなって思うけど、実体としての私は要らないから。死んで脱力した状態を運ぶのは、すごく重いって聞くよ。
そうなりたくないの。
塩といえば、低ナトリウム血症になったことがある。
気づいたら意識が朦朧としていて目が覚めた時には何本も輸液されちゃってた。頭が痛いとか気分が悪いとか、そんなことよりまず最初に点滴のカロリーが気になって絶望したことは、いかにも私らしくて、苦笑してしまうけども。
そのときの、
「こんなものを身体に入れたくはなかったのにっ…!」
って後悔はありありと覚えています。
水だけを大量に飲んだり、利尿剤などを使っていて腎臓が悪かったり、そんな場合はよりなりやすいため、痩せ姫様方はお気をつけて。
そういえば、たぶん、9月の頭に病院に行くことになりそうです。
ひとまずご報告まで。