成人式と同窓会(中篇)

(初出「痩せ姫の光と影Ⅱ」2021年1月 ※痩せ姫たちの実話を参考にしながら、ブログ風にまとめたフィクションです)


つづきです。

同窓会の日は、出かける前にちょっと母とトラブりました。
「スカート丈が短すぎる。ただでさえ、痩せすぎでみっともないのに」
と言われ・・・
でも、ミニというわけでもないし、太ももは隠れてるんですよ。
「ロングブーツと合わせるから大丈夫」
と言い返したりするうち、納得してもらいました。
ただ、そのブーツ、2年くらい前に買ったものだから、サイズが全然合わなくて。そういえば、痩せたのは大学に入ってひとり暮らしを始めてから。実家には、サイズが合うものがほとんどないんです。仕方がないので、母が見ていない隙に、ブーツなしで出かけちゃいましたけどね。

同窓会は楽しかったけど、面倒なこともありました。ビュッフェ形式のお店だったので、食べないでも済むかなって思ってたのに、例の小中といちばん仲のよかった友達にいろいろと勧められて。
その子いわく、
「昨日は着物だったから、ここまで痩せてるとは思わなかった。脚とか棒だし、上半身も薄くてぺらっぺらじゃない? もうちょっと太ったほうがいいよ」
だそうです。
だから、なるべくカロリーの低いものを選んで食べたけど、明らかに食べすぎ。途中で吐きに行こうかと思ったくらいです。

その子からのも含めて、体型についての指摘もちょっとわずらわしかったかな。「痩せたね」とか「ダイエットしたの?」とか、何も言われないのも不安になるけど、正直、鬱陶しかったです。
なかには体重を聞いてくる子までいて、10キロ近くサバを読んだ数字を言ったのだけど、
「うそ、ありえない。でも、たしかにそうか・・・」
その瞬間、言ったことを後悔しました。
え、私、それくらいの体重に見えてるの? って動揺してしまって。そしたら、それを一緒に聞いていた例の友達がそのあと言ってきたんです。
「さっき言ってた体重、あれウソでしょ。私の知り合いにそれくらいの体重の子がいるけど、その子よりずっと細いもん。30キロ、ないよね」
って。おかげでますます心配されてしまったけど、少しホッとしました。

あと、体重といえば、もうひとつ、こんなこともありました。

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