今、あのひとは…(4)
寒中お見舞い申し上げます
今月19日に「お一人様の懇親会」がある。このご時世お食事会のはずが落語を聞いてお弁当のお持ち帰りとのこと。いろんなウイルスが出て来て、世界は混乱し、地球温暖化でこの冬の風雪の激しさにも驚いている。
これが まだ驚いている間はまだしも、今後の世界を考えると…。
今はとにかく明るく元気でいるしかない。
そこへ「寒中お見舞い申し上げます」のハガキが舞い込んだ。
みると、お嫁ちゃんのご両親の名が書かれてある。
ああ、そう言えば、お年賀状が来ていなかったか…?
ハガキをひっくり返すと薄い青色の帯の中に白色とピンクの椿があしらってあり、すがすがしいハガキだった。なにやら、書いてあるのを読んでいると、ふつふつと笑いが込み上げてきた。
「寒中お見舞い申し上げます
早々、ご丁寧な賀状をいただきまして、ありがとうございました。
先日、お街を妻と腕を組み歩いていたら、すれ違った若いアベックが
「仲のいい夫婦、うらやましい」だと
違います! お互いが転倒しないように支えあっているのです
そんな年になりましたが、コロナに負けず、口だけは達者に生きております皆様もお元気で
今年もよろしくお願いいたします。 」
私は 思わずお嫁ちゃんの実家に電話をしていた。
受話器を取ったあちらのお父さんに
「寒中お見舞い申し上げますのお葉書頂きました。この文章面白いですね。思わず笑ってしまいました。なかなか! これ、「note」に紹介してもいいですか?」と聞いていた。
「いいですよ!」笑いながら快諾してくださった。そのハガキに
「昨年は、お母さまおひとりに色々とお世話をおかけして申し訳ありませんでした。又コロナ感染者が増え、心配です。くれぐれも、お体、気をつけてください。お会いしたいですね」と書き添えられていたのは、お嫁ちゃんのお母さん!
お嫁ちゃんは亡くなってしまったけれど、家族が増え益々絆が強くなったことを私は心から感謝するばかりでおります。