少年になった君に
お正月の帰省時、ばあちゃんチに到着したとたん! 君は まっしぐらに 走って 飛びついていった 小さな5段の白い引き出し
「はやく、中をあけて!」と言わんばかりに、体をゆさぶりつぶらな黒い瞳を満面の笑みにかえて、ばあちゃんを見上げていた この白い5段の引き出し
ねえねえと君のお父さんが使っていた時の イチゴのシールは 色あせてしまったけれど、君にとっても 幼き頃の思い出が 折り重なって入っている幸せの引き出しなのだ
そのばあちゃんチの白い5段の引き出しを 少し離れたところから ジッと見つめて「なつかしいな~」とつぶやいた時、君は10才の君に「さようなら」をして 君は少年になった
新しく始まる11才の君、 やさしくてナイーブな君に 本当の強さを見つけた
本当のやさしさは 本当の強さから生まれる。本当の強さを持った者だけにつく 本当のやさしさ。それは 母を亡くした10才までの試練が、本来備え持った君の愛される性格に より君を強くし、やさしくしたようだ
試練を恐れるな! これからの試練も 君をたくましくする。心の強さは 思いやりの弾力性にある。とばあちゃんは 思う
怒りたければ 叫ぶがよい! 泣きたければ 泣くがよい! うれしければ笑うがよい! 自然の中で いや、宇宙に向かって 思いっきり大声をあげるがよい!
おおらかな宇宙は きっと君を受け入れ そして癒やしてくれるはずだから