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行ってらっしゃいまし、いいお時間を!春風の如くいうオペレーター
はて? 困った! 一泊旅行の化粧品
長い間 旅行に行かなった私には 旅行用の化粧品を失くしてしまっていた
たった 一泊の外泊用の化粧品が ない⁉
どうしたものか・・?!
洗面台を前に あれこれ考えた、が う~ん! 思いつかない・・・
しばらく鏡の戸棚を 開け閉めしながら、う~ん 、え~っと・・・
え? あっ! サンプル??
いや、あつかましい! これは なんでもあつかましい!
え? でも、聞くだけでも・・! 一回 聞いてみよう!?
そこで、定期便の化粧品メーカーに電話した
「あの~、お願いがあるんですけれど!」
この言葉からはじまる電話に お客様デスクは 怪訝そうなムード
しか~し、それにも負けずがんばって重ねて言ってみた。
「私、この月で82才になるんですが・・(そんなこと 関係ないやろ?!
同情かう気かぁ?)年齢がいくと、なかなか旅行に行けなくて・・、去年も夏 暑かったでしょ? ですから、息子や孫のお盆の帰省を こちらから
断ったんですけど、今度は 楽しみにしていた暮れの帰省が 息子たちの
インフルエンザで中止になりましてねえ(ばあさんの話はなが~い!それを承知で・・?)
そうしたら、1月の終わりに息子から電話がありまして『去年一回も会うて
へんから 2月の終わりに3連休あるから帰ろうかぁって二人で言うてるんやけど都合どう?』て 言うてくれましてねえ。それで、一泊だけすることになったんですけれど、以前 旅行用の化粧品って売ってましたけど、今は 一泊用のお化粧品って売ってないですよね?」そこまでしゃべったところで一息ついた。
慎重に聞いていたオペレーターの女性の声が
「そうですねえ、こちらの化粧品では 旅行用はございませんので・・」と柔らかく返ってきたので、私もホッとして
「そうですよねえ、それも一泊なんで 二回分の化粧水とクリームがあればいいので・・それで、あつかましいお願いなのですが 2回分のサンプルを
いただけないでしょうか? それだと 私 助かるのですが・・」と言うと
「そういうことですかぁ、少々おまちください、相談してまいりますから・・」と、しばらくミュージックを聞くことになった。そして間もなく
「お客さま!」と明るい声の別の女性が 係りが変わったことを伝えていた
「二泊用にお化粧水とクリームの二点をお送りいたしますので、ご安心くださいませ」それを 聞くなり私の声が一段あがって
「うわ~、ありがとうございます。ご親切にたすかります!」と受話器を持って頭を下げていた。
「いえいえ、お役にたててうれしいです。気をつけてお出かけください」と言っていただき、「ありがとうございます。うれしいです!」というと
受話器の向こうで「行ってらっしゃいまし、いいお時間を!」と春風のように言ってくださるオペレーターの姿が 浮かぶようだった。