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月夜の寝ぐせ(たらはかに:ショートショート)

 ある所に、お婆さんと老猫が 住んでおりました。
老猫は お婆さんの娘に飼われていたのですが、飼い主が亡くなり 
その忘れ形見として 一人と1匹は 仲良く暮らしておりました。
老猫は 人でいえば もう100才位。でも とても元気でした。

 けれど、猫と人の生活サイクルは 夜と昼で違います。
両方の年齢がいく程 お互い眠りが浅く、何回も目が覚めてしまいます。
そこで、お婆さんも老猫も ちょっと寂しく思いましたが、別々に寝ることにしたのです。
 暑い夏は涼しい所で眠り、季節がめぐって寒くなると お互いの温もりが恋しくなり、一緒に眠ることになりました。

冬のある夜、お婆さんが目覚めると 老猫がいないのです。
そういえば いつも老猫は お婆さんが眠りに落ちた頃を見計って、ベッドから出ていくのです。腕枕をしていた腕を擦りながら 目を凝らして部屋を見回しました。
すると、寒空に月が煌々と照っている窓辺に老猫が・・、その後ろ姿にお婆さんは 娘の影を見たのです。


 たはらかに様
 はじめて 参加させていただきました。
このような 形式でいいのでしょうか?
よろしくお願いいたします。

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