偶然か~?
マイトリ♪さん、の記事を読んで私も思いついたことを 書いた。
そんなある夜(11日午後9時過ぎ)姪っ子から 電話が入った。
「こんな時間に どうしたん!?」私が 只ならぬ声で聞くと
「今日、母が死にました」という、姪っ子は落ち着いていた。
すぐには、まともにとれずにいる私
「ええ!?、お義姉さんがあ…? 入院したはったん?」
「少し前から 血尿が出て入院して調べてもろたら、膀胱がんやったんです
もう年やからって 放射線もかけられへんし、その内 心筋梗塞にもなって…」
やはり、姪っ子は女医だけあって 落ち着いていた。
「おかあさん、幾つやった?」と私
「94です」と、姪っ子
「そやなあ、94では治療は無理やなあ。お兄ちゃん あ お父さんどうしたはる?」
「わりかし 平然としたはります。『ぜ~んぶ、おまえに任す!』って、 殿様みたいに『良きに計らえ』の調子で…。父が言うには 『町内にも医師会にも 知らせたらあかん、えらいことになる。密葬でせんと…』それで 『姉妹は おばちゃんにだけ知らせたらええ!』ということで、おばちゃんに 電話したんです」と言った。
「そやなあ、大ごとになるからなあ」私は内心<姉が来たらどないしょ?>と、思っていたが 知らせないということを知って ホッとした。
「けど、弟がいるんで 助かります」姪っ子が言う。ふんふんとうなずいて
「しゃ~けど、(お葬式だすの)はじめてやろ?」と言って 間があって 「今まで$$ちゃん(姪っ子)よう、がんばったなあ? よう、がんばった!」言ってる私が 涙声になってしまった時、はじめて 姪っ子が泣いた。
「今、おばちゃん 何言うたらええんか わからへんけど、思いついた時 メールするから読んどいてな」
「ありがとう おねがいします」
しかして、私は思いついた時に夜中でも、メールした。
これから先 準備すること(思いついた時にメールするので、順不動)
★少し大きめの空き箱(菓子箱等)を準備して これから発生した書類(請求書、領収書等なんでも メモ書きでもいい)を その箱にいれておくこと後で税理士さんに渡せるようにしておく為!
★銀行口座がストップするので まず銀行員が来るので「密葬」を告げる。
★相続関係をしてくれる税理士さんも知らせて『相続の手続きをお願いします』という。献花もお断りする。
★お母さんが この時ように何か書き残しているノート等ありますか? あれば お母さんの望むように出来るのですが… お父さんは?
例えば、お寺には いくらくらい包むとか、がわかると思う。
☆お知らせありがとう♡本葬に出席します。相談したいことあればいつでも携帯に連絡してね
★お寺さんのお布施は 葬儀屋さんに聞くと、相場を教えてくれます
そして、11月15日本葬に 出向いた。
その前日に ホールまでの行き方を会場の事務所に聞いた。
「お香典お断り」は聞いていたが、「献花」を聞くとやはりお断りを告げられた。
当日、「清水寺京阪五条駅」下車 4番出口 東へ歩いて5分。
それが長かった! どうしてか?
礼装用の靴を買ったのは 何十年も前のこと、長い間に私の足は すっかり痩せていて靴が ぶかぶかになっていた。
娘の時には 息子の車での移動だったので ようやくこなしていたのが
ここに来て <もっと早く靴を買い替えておけばよかった…> と 後悔先に立たず!
ようやく辿り着いた会場には 姪っ子と甥っ子が立っていて、すぐにこちらに気づいてくれた。
91歳の兄は 傘を杖替わりにして 立っていた。
「お兄ちゃん!」声をかけたが、
「どなたです?」と、返ってくる。
<無理もない!長年会っていない上にマスク姿なのだから…>と、思い。 私は マスクを外して 小さい時に呼ばれていた愛称を言った。
兄は途端に 満面の笑みになり
「な~んや、&やないか…!」
「長いこと 会うてへんもんな、お兄ちゃん どうえ?」と聞くと
「まあまあや」と言って 薄くなった白髪あたまを2,3度振りながら
「ま、顔 見てやって! 上手にお化粧してくれたはるさかい、別嬪さんになってるわ」と言った。
祭壇のお花は やはり 京都ならではの上品な色合いの花々で飾られ立派だった。棺の中の義姉は 1年前に 偶然実家を訪問した時のあのふっくらした白い肌ではなかったが、鼻筋の通った赤い口元が 別人のようなしっかりした顔立ちに見えた。
本家を守り、医者を続けながら私の両親を看取ってくれ、その間もずっと 俳句とお習字を続けていた義姉は 枯れた中にもやはり気品があった。
「お兄ちゃん、お義姉さんきれいやなあ、もともと きれいな人やった けど…!」
耳の遠くなった兄は その言葉に反応せず、別の所をじっと見ていた。
家族葬にしても、義姉の妹2人の子供たちが 其々2人ずつ、故意にして いたご老人も数人参列して、かれこれ20人は居る。私は<やっぱりなあ>と思った。
それぞれ自己紹介して、分からないまでも 義姉の一番下の妹さんが娘さんに付き添われて お目にかかった時、思わず両手をとって
「ご無沙汰しています。小さい頃 ピアノを教えていただいたんですよ」と言った時、腰の曲がった顔で私を見上げ、うんうん頷きながら
「あれからも、ずっと作曲していてCDにもなってるんですよ」と、言われた
「そうですか~! また曲名を聞いてCD買わせてもらいます」と言うと、
「そうだったんですかあ、そんなことがあったんですかあ、うれしいことです」と、母親の背中を擦りながら その娘さんは言われた。
火葬場には 心臓を患っている兄は行けないというので、私がホールに 残って兄のお相手をすることになった。
2時間くらいだったか、「兄妹二人っきりの水入らずのはじめて」と言っていいほどの時間は とても濃厚で充実していた。
その際、私が聞いたこともない、両親のルーツを長男である兄は聞いていたのか 私に話してくれた。
心臓を 患いながらも雄弁に語り続ける兄に 私は何度も
「お兄ちゃん、しんどないか?」と、聴いていたが 兄は生き生きとして「しんどない、大丈夫や!」と言って、饒舌に話し続けた。
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