もっとも幸せな風景
風があたたかく感じた日
そぞろ歩きした川辺りに
言葉少なく座した老男女
その背中に あたたかい陽が当たる
二人の見つめる先に広がる川辺りの風景は
サラサラと流れる川波に
やさしく太陽の光がキラキラと反射する
せせらぎの流れの音を聞き入るように
じっとして動かない大きなゴイ鷺
その側を 川面に嘴を差し入れる白鷺は
長い脚でゆっくりと慎重に歩を進めている
突然、水音がして目を落とすと
川辺の草の根辺りで
つがいの鴨が戯れはじめた
それを観て微笑む二人
時折 やさしくあたたかにそよぐ風に
「気持ちがいいね!」と 小さくほほえみ交わす
幸せな時の間に 言葉はいらない
ただ、陽の光とおだやかな風景と時の間があれば・・