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自由とはどういうことか。


いつものように散歩をしていた。


時刻は14時頃。日差しが強いので、目を細めながら、太陽に背を向けて歩いた。


時折、目にかかる前髪が、左右問わず縦横無尽に薙いだ。風の強い日だった。




こんな日でも、空には鳥が漂っている。




あの黒いシルエットはカラスだ。2羽飛んでいる。


ーーー上空に風が薙いだ。


2羽のカラスは、風を受けて静止する。


いや、待てよ。



一方のカラスは風に逆らってバタバタと羽ばたき抵抗している。それでも停滞しているままだ。


しかしもう一方のカラスは、くるりと身を翻し、風の流れに乗った。

どちらがより美しかったかと言えば、後者だ。
身を翻し、風に乗ったカラスの方が優雅に見えた。あるいはより自由に見えたのだ。

ああ、そうか。

風が吹き荒れる時、自然の大きな力に逆らってはいけないのだと悟った。




鳥は思ったよりも自由に飛んでいるわけではなかった。


それは多分、僕らにも同じことが言えると思う。


僕らは自由な人や生き方に憧れるけれど、彼らは思ったよりも自由な人ではないのかもしれない。




そういうことは、大きな力が働いた時によく分かる。自由に見える人、彼らはただ優雅な振る舞いを知っているのだろうと思う。


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