槇野文香(まきのあやか)

長野県在住です。森菜々のペンネームで2015年から2016年にかけて、「小説家になろう」と「エブリスタ」で小説を発表していました。 管理栄養士とケアマネジャーの資格があります。

槇野文香(まきのあやか)

長野県在住です。森菜々のペンネームで2015年から2016年にかけて、「小説家になろう」と「エブリスタ」で小説を発表していました。 管理栄養士とケアマネジャーの資格があります。

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最近の記事

イギリスの薔薇

イギリスでは、君主はテューダー・ローズの紋を使用する。 イギリスの薔薇といえば、ダイアナ妃を思い浮かべる。 少し前、ケンジントン宮殿で、ダイアナ生誕60周年の銅像が公開された。 ダイアナの二人の王子によって除幕式が行われた。 ダイアナは悲劇的な最後を迎えたが、それまでの彼女の存在は、華やかな薔薇の花そのものだった。 とくにダイアナのファッションは、世界中の女性のあこがれだった。 私自身、ダイアナがどんなドレスを着るだろうかと、興味津々でTVを見ていた。 現実の世

    • 今宵魅せられて 月

      日中の暑さはやわらぎ、夕方になると風が冷たくなってくる。夜になると、虫の声がする。 夏が終わりつつあり、秋の気配がひっそりとし始めていたことに気がつく。 月が美しい季節になった。 月は、そのときどきによって、表情を変えるのがおもしろい。 青白いときもあり、赤いときもある。これは、大気の厚さの影響による。 自然現象なのだとわかってきたのは、最近のこと。 この月の表情の移り変わりに、いにしえの人々は、神秘性を感じ、崇高な面持ちで仰ぎ見たことだろう。 人はその月に様々

      • 時間栄養学の基本 食をテーマに 7

        最近、時間栄養学について書かれた記事を読む機会が増えました。以前より浸透しつつあるのかなと思います。 人間の生態に合わせたダイエット方法は、効果があるので、おおいに実行してほしい。ただし、これはあくまで、健常者であることが前提なので、持病を持っている人は、かかりつけのドクターにご相談下さい。 今回は、時間栄養学のおさらいとしてお伝えします。 1.体内時計のずれをリセットするためには、朝の光をあびることと朝食をとることが必要。朝食はバランスの取れた栄養食。 朝食は時間栄

        • カエサルとクレオパトラ ローマ人の物語より

          毎日がこう暑いと、冷たく青い海にひたりたくなる。とはいえ、感染症が蔓延する現在の状況からして、旅に出ることはとうていできない。 せめて想像力の力で、紺碧の海を思い出してみたいと思った。 大学生のとき、ギリシャに行ったが、あのときのエーゲ海の色はきらめくように青く、美しかった。その海を背景としたギリシャの古代遺跡は、遥かなるロマンへといざなう。 このギリシャを先祖とするのが、エジプトのプトレマイオス王朝だ。 私は歴史好きで、塩野七生氏のフアンだ。塩野七生氏といえば、ロー

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        • エッセイ
          10本
        • 時間栄養学 食をテーマに
          7本
        • ショートストーリー集
          3本
        • 花屋のユリ
          1本
        • 冬の訪問者 スミレの恋人
          8本

        記事

          槇野文香(まきのあやか)になりました

          森菜々のペンネームから槇野文香になりました。 2015年に「小説家になろう」の掲載から使っていたのが、森菜々のペンネームですが、心機一転で、槇野文香になりました。 私のプロフィールも紹介いたします。 長野県在住です。 高校は長野県の地元の高校に行きました。進学校だったので、そこには多くの秀才がいました。大人になり、世の中に存在感を示すような人材になった人もいます。その秀才たちに、私は少なからず、影響をうけました。 私自身は勉強が嫌いで、学業はふるいませんでした。

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          眠れぬ夜の夢

          夜は静かだ。 私の暮らす田舎町では、騒音もネオンもない。 安眠を妨害するものなどないけれど、眠れぬ夜はある。 そんなときは、ワインを飲みながら、本のページをめくるときもあるし、音楽を聴いてすごすこともある。 眠れぬ夜にふさわしいのは、ビル・エヴァンスの音楽だ。 ベッドに横たわりながら、ビル・エヴァンスを聴いていると、いつしか眠りについてしまう。 都会的でクールなのに、温かさにつつまれるようで、とても心地いい。 この感触が、私を眠りに誘ってくれる。 心配ごとがあ

          雨の音を聞いて

          今日は朝から雨が降っている。 少し肌寒さを感じて、薄いカーディガンをはおった。 まだ、梅雨が続く。 でも、梅雨があけたら、厳しい暑さがやって来るだろう。 信州でも、この頃は、焼け付くような暑さになることがある。 入道雲の空は美しいが、もっと快適な夏になってほしい。 今は、やることがなくて、ついボーっとしてしまう。 脳科学的には、空間認識の領域を形成するのには、ボーっとした時間が必要だそうだ。 私はボーっとするのが好きだ。 きっと、脳がそれを必要としているのか

          カズオ・イシグロ作 クララとお日さまを読んで

          この本の主人公は、AF(Artificial Friend)のクララだ。 クララは、ショートヘアでフランス人みたいなかわいいAFだ。 だが、クララは新型のAFではない。とても頭のいいクララだが、自分が旧型だということにコンプレックスを感じている。 そこがなんとも人間くさい。人間ではないのに、人間くささを感じさせるクララ。 クララは、ジョジーという病弱の少女のAFとして購入される。 この近未来では、子供たちは、AFを友人として、家で教育されていた。 カズオ・イシグロ

          カズオ・イシグロ作 クララとお日さまを読んで

          私の朝ごはんとレシピ 時間栄養学  食をテーマに 6

          私の朝食を紹介したいと思います。写真がこの朝の献立です。 ・オムレツ ・トマトとブロッコリーのサラダ ・オリーブオイルのトースト ・野菜のポタージュ ・清見オレンジ ・ヨーグルト オムレツのつくり方(一人分) 材料 卵1個  玉ねぎ10g  ハム1/2枚     牛乳小さじ1 塩コショウ、ケチャップ少々 油少々 1.玉ねぎ、ハムを粗みじんにきざみ、炒め、塩コショウを軽く加える。 2.卵に牛乳をまぜ、油を熱したフライパンに丸く入れる。 3.卵が半熟状態のとき、1を中央より

          私の朝ごはんとレシピ 時間栄養学  食をテーマに 6

          ヘッダー画像を3時間かけて作ったことと本の話

          ようやくnoteを始めて、3ヵ月になりました。そこで、クリエイターページのヘッダー画像を作ることにしました。 今までは、noteの操作方法や、作品を掲載するだけで、精いっぱい。ヘッダー画像まで手がまわらなかったのでした。 他の人のヘッダー画像を参考に見てみると、小説、編集関係の人たちは、書斎を画像にしているのが、多く見うけられました。 よし、私もカッコよく書斎をイメージする写真を撮ろうと、昨日、悪戦苦闘した次第でした。 奮闘すること3時間、できた写真をヘッダー画像に挿

          ヘッダー画像を3時間かけて作ったことと本の話

          ショートストーリー 母の香水

          ディオリッシモの香水の瓶が、化粧台の上に無造作に置かれてある。 これは母が愛用していたものだ。これが母の香りだった。 母が亡くなって1年になる。 母は美しい人で、私とは、姉妹のように見えるといつも言われていた。少しも似ていないのに。 背が低くて、ずんぐりむっくりな私。 それにくらべて、母はほっそりとした肢体で、長い黒髪。それは死ぬまで変わらなかった。 本当に、私は母から生まれてきたのだろうかと思った。一緒にいても、人の目は、母に、いつもそそがれていた。 母には羨

          ショートストーリー 母の香水

          ショートストーリー 待ち合わせ

          いつものことだけど、すいぶん待たされる。 いつもの待ち合わせのカフェ。ガラス窓には、小さな雨粒が流れている。 残り少ないカプチーノ。 紙コップを握りしめながら、スマホで時間をつぶす。 彼と付き合い始めて3年だけれど、ほぼ友達関係と言えるだろう。 彼は私に気をつかうことなど、ほとんどない人。だから、こうして時間に遅れてくる。 きっと素敵な美人がお相手のときは、遅れてくるなんてことないだろう。 お世辞にも、目立つような華やかさがあるとはいえない私。 彼は見栄っ張り

          ショートストーリー 待ち合わせ

          ショートストーリー 私だけでいてほしい

          新緑の木漏れ日が美しい。 別荘の中での読書にあきて、私は散歩をしている。 感染症対策を理由にして、私は週末、山の中にある貸し別荘で時をすごすようになった。だが、本当の理由は、夫から逃れるためだ。 都会の喧騒を離れ、まだ寒い夜、暖炉の赤い炎を見ながら、読書をしていると、不愉快なことを忘れることができる。 夫に好きな人がいることを知ったのは、ちょうど一年前のことだった。 「君は忙しすぎる」 「それが浮気の言い訳なの?ずいぶんかってね」 激しい言い争い。それでも私は別

          ショートストーリー 私だけでいてほしい

          キャパとバーグマン

          私の部屋には、キャパの写真がかざられてある。 キャパの写真展が美術館で行われたとき、美術館のショップで購入したものだ。 戦争報道の写真を多く撮影したキャパだが、珍しく女優を撮影したものがある。 イングリット・バーグマンだ。 そのバーグマンのはがきサイズの写真を、私は買った。 撮影されたバーグマンは、映画のワンシーンのように、憂いに満ちた横顔を見せている。背景にはバイオリンをひく人物が写っている。 モノクロなので、いっそう哀愁をかきたてるような写真だ。 最初、美術

          みんなのフォトギャラリーはとても楽しい

          noteを始めて、ようやく2ヵ月になりました。 最初は、個別のホームページの見方さえわかりませんでした。というのも、noteを読んだことがなかったからでした。 なぜ、突然noteで書く気になったかといえば、外出の少ない毎日で、ふとブログを書いてみようかと思ったからでした。 それでは、どこで書くべきかと考えて、いろいろと調べてみました。 その中でnoteにした一番の理由は、やはり、コンプライアンスを遵守していることと、安心、安全を追求していることでした。 ネットで作品

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          小説 冬の訪問者          スミレの恋人 最終話

          積雪に、反射した透明な朝日が、部屋に差しこんでいた。 一郎は目を覚ました。 (朝だ‥‥‥ 俺は生きているらしい‥‥‥) 体を伸ばしてみると、意外にも、しなやかに動くのだった。 一郎は、おそるおそるベッドから起き上がった。すると腰の痛みが消えていることに気がついた。昨日の苦痛がまるで嘘のように、体は回復している。 (まさか、すべて夢だったのだろうか‥‥‥ すべて夢か) 窓から、あたりの景色を見ると、雪はすでにやみ、銀世界がまぶしいほど光り輝いている。 彼はゆっくり

          小説 冬の訪問者          スミレの恋人 最終話