母国語以外の言葉を喋ることが出来る、ということ。
ルワンダに来て、多くの人と出会う中で驚いたことの一つに
がある。
僕は、これまで30年以上を「日本」という極東の島国で過ごしてきた(てゆーか、現代においてはこれまでの僕と同じように、生涯を日本で過ごす日本人が大半だと思う)。
そして、日本で生活するなら日本語さえ喋ることができれば、基本的に何も不自由しない。
これは、周知の事実だ。
しかし、異国の地で生活する以上は、そうは問屋が卸さない。
当たり前だが、ここルワンダでは日本語が通じない。
つまり、ルワンダで生きていくためには、現地語である「キニアルワンダ語」ができるに越したことはないが、最低でも英語、可能ならフランス語も喋れた方が良いということだ。
ちなみに余談だが、キニアルワンダ語は日本語と全く違うようで、地味に発音の仕方が似ている部分もある。例えば、次の3つの数字を声に出して読んでみてほしい。
恐らく、この記事を読んでいる人は「いち に いち」と発音したはずだ。なぜなら、この記事を読んでいる人の大半は日本人だから。
実は、ルワンダ人の前でその発音をすると、「コレ何?」という意味になる。
このように、日本語として割と自然に発音した言葉が、キニアルワンダ語では全然違う意味で通じることがある。
他にも、例えば「うるせぇんだ」と言えば「トウガラシ」を指し、「アホ」と言えば「そこ」みたいな意味になる。
つまり、ルワンダ人に「トウガラシどこにあるか知らない?」と聞かれたら、
と言えば、「トウガラシはそこにあるよ」という意味で通じるので、聞いてきた人は喜んでくれるはずだ。
この場合、聞いてきた人は決して罵倒されて喜んでいる訳ではなく、求めていたトウガラシが見つかって嬉しいという意味で喜んでいるのだ(厳密には、恐らく文法的に若干間違っている部分もあるが、実際奇跡的にこのシチュエーションに陥った時、これで通じた)。
さて、少し話が逸れたが、僕がルワンダで出会ってきた人の中には、3ヶ国語以上喋れる人がめちゃくちゃ多い。
ルワンダ人でも、キニアルワンダ語、英語、フランス語、スワヒリ語の4種類を喋れる人もたくさんいる(ただし僕の任地の村人はこの限りではない)。
外国人で言えば、先日紹介したドイツとブラジルのハーフ激烈美少女も、19歳という若さでドイツ語、英語、フランス語、ポルトガル語、そしてある程度のキニアルワンダ語を喋ることができるらしい。19歳で5ヶ国語喋れて美人とか…スペック高すぎる。
そして、母国語でないという意味では条件はそんなに変わらないはずなのに、彼らは明らかに僕よりも英語が上手い。
そこで、シンプルに
と思うわけだ。
もちろん、彼らも生きてるだけで自動的に喋れるようになったわけではなく、きっとたくさん勉強して、練習して、慣れて、そこまで流暢に喋れるようになったんだと思う。
環境や国の教育システム、そして本人の努力あってこその賜物だ。
それを考えると、やはり彼らに尊敬の念を抱かざるを得ない。
日本で生活するなら日本語さえ喋ることができれば、基本的に何も不自由しない。
だから、日本人の多くは日本語しか喋れない人が多いと思う。別にそれが悪いと言っているわけではない。事実、それで事足りるんだから、全然それで良いと思う。
ただ、日本では多少英語を喋れるだけで、何となく「すごい」的な空気になると思うが、海外に目を向けてみると、案外母国語以外の言葉を喋ることができるというのは、珍しいことではないのかもしれない。
そう思う、今日この頃である。
(ただし、キニアルワンダ語に関しては、正直そんな向上心はない)
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