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「衣」・「食」・「住」で言ったら、気になるのは「住」かな。

ルワンダの首都キガリには、入場料無料のシャレオツギャラリーがいくつもある。

歩いてると、急にこんな感じで出てくる

しかし、そんな首都とは裏腹に、僕の住んでいる村は茶色と緑色のクレヨンさえあればそれなりに現実に忠実な風景画が描けるくらいの田舎である。だって、見渡す限りほぼ赤土とバナナの木しかないんだもん(本記事の見出し画像参照)。

まぁそれはそれで目に優しい配色だと思うし、のどかな風景で好きなのだけど、たまにキガリに来てみると、こういうカラフルな世界も悪くないなと思い、ふらっとギャラリーに入ることがある。

一見敷居が高い感じのギャラリーでも、迷ったら「変化」のある方を選ぶというポリシーのもと、突撃訪問をかます。

そんなことをしていると、先日とても素敵な場所に辿り着いてしまった。


それがここ

いや、全然カラフルじゃないし、普通の家じゃん。
何なら茶色と白色のクレヨンだけでいけるわ。

と憤慨する気持ちも分からなくはないが、どうかその怒りを鎮めて黙って聞いてほしい。

このギャラリーでは、障害があってなかなか就職できない方や、その辺の道端で物乞いをしている方を職員として招き入れ、ルワンダの伝統的なかごや絵画の製作をしてもらい、それらを展示・販売しているという。
しかも、彼らには手に職を付けてもらう訓練の機会を与えるだけでなく、英語の語学指導なんかもしているのだとか。

うん。
めちゃめちゃ良い人やんけ、オーナー。

明るく清潔な作業スペース
あえて未完成の物に額を付けて飾る高等テク


そんなオーナーは、2015年にチェコからルワンダに移住してきて、このプロジェクトを立ち上げたそうだ。

…と、ここまで申し訳程度にギャラリーの紹介をしたが、実は僕が最も感動したのは、そんなギャラリーの奥を見た時だった。

多分ギャラリーと違って公開しているわけではないと思うが、僕は勝手にギャラリーから隔てられた壁の向こう側を覗き込んだ。

するとそこには、小さな家が置いてあった

唖然とし、アホ面でその家を眺めていると、オーナーが「This is my house.」と教えてくれた。

オーナーによると、この家は「Shipping Container House」、つまり貨物船に載せるコンテナを一個まるごと改造して作った家だそうだ。

コンテナ=貨物船に積むこういうやつ

しかも、「I made it by myself.」だそうで。
カッコ良過ぎか。
これ、自分の手で作ったんだってー。

こじんまりとした中に気品漂うコンテナハウス

こーんな超絶オシャレハウスでの生活、憧れちゃうわー。
惚れ惚れするあまり思考停止した僕は、もともとそんなに高くない英語力が中学1年生の5月頃くらいまで低下し、「I like it.」を連発していた。それはもう、8連発くらいしていた。

そして、家の中も見せてもらったけど、もう素敵すぎて鼻血が出るかと思った(家の中の写真を載せるのは控えておくが、ほんと素敵すぎて鼻血まではいかずとも鼻水は多分出てた)。

ちなみに、オーナーはこの家に愛犬のフレディと2人(1人と1匹)で住んでいるそうだ。

いや。
もはや字面が爽やかすぎる。
爽やかすぎるので、もう一回書いておく。

愛犬のフレディと2人(1人と1匹)で住んでいる

フレディはおとなしい大型犬で、敷地のドアが開け放たれていても出ていこうとしない、とても賢い奴だった。犬好きな僕としては、本当に憧れる暮らしだ。

しばらくフレディと戯れた後、今度またゆっくりお邪魔させてもらうと約束し、この日は帰ることにした。


帰り道、思いがけず素敵な場所に辿り着いたことに気分を良くした僕は、道端でお金をねだってきた子どもに、ささやかながら昨日夜ご飯として買ったけど食べきれなかったサモサをあげた。

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