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ベクトルとマウント

大人が勉強した方がいいと言うのは、いい学校に入って欲しいからだけではない場合があります。

国語や英語は表現力。自分の意見を極力本物に近く相手に伝えるための表現力になります。

数学は道具です。整理するための技術があまたあります。その中でも私はベクトルが好きなのでそのお話をしたいと思います。

まず、私たちは一概に物事を考えすぎるきらいがあります。いうなれば1本の直線上での値が大きいのか小さいのか、という考え方です。近い話で言えば、学歴、容姿、収入……いろいろあると思います。

「私はあの子に可愛さは負けるけど、私の方が頭いいな」なんて思ったこともあると思います。逆も然り。その考え方には2本の直線があります。中学生の頃よく見たxとyの平面です。

ここで疑問が湧くわけですね。頭脳と顔面偏差値どっちが良いんだ?と。「私の方が頭いいな」は、もしかしたらよくいう負け惜しみかもしれません。だとすればその人の中で可愛いの方が比重が重いんですね。だから、頭いいより可愛い方が世の中にはウケる、と本当は思っていたりするわけです。

大事なのはあなたが何を正として、プラス方向として生きていくかです。それは誰にも決められませんし、とやかく言われる筋合いはありません。

マウントは大体一直線上の話です。いい学校を出た、容姿が優れている、恋人が素敵だ。それだけであなたの全てが負けた訳ではありませんし、あなたは無限の要素を持ちながら生きていることを忘れないでください。そして他人も同じであることも。

あなたは誰にも測れないし、あなたも本当は誰のことも測れないんです。

そして最後に、人間はとても欲張りです。なるべくなら全てにおいて安心しておきたいと本能では思います。それは人生を楽しみたいという素直で健康な感情だと思います。

自分の正は自分にしかわからないという感情も、誰のことも測れないという事実も、たまに疲れて愚痴を言う飲み会も、飼い慣らしながら生きていくんだろうなぁと、20の私は思います。