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熊野古道(第9弾)最終日

表紙写真をご覧の通り。
雨の中、無事、熊野本宮大社へお参りしてきました。
思えば昨年11月に散歩気分で始めた熊野街道の旅、いつしか大阪府から和歌山県に入り、泊まりがけで行く程ハマった訳です。では。。。

すごい距離です。コレをほぼ全部歩いたかと思うと。。。え?「ほぼ」?
そう。ほぼ。

だって昨夜からの前線を伴った低気圧による豪雨、朝起きてもまだザーザー降ってまして。

泊まったゲストハウスmuiのご主人と相談して、8:30段階で最終判断する事に。リタイアしてバス停まで下りるか、宿から歩くか?それとも。。。ご主人の提案で、スタンプ台が無い王子区間をワープして、(2011年水害被害による)迂回路の途中から始めるか?
その最後の選択を選んだ訳ですよ。

さて、昨夜のディナーも豪華でしたが朝食もなかなかオシャレ。

奥様手作りの天然酵母パンがモチモチ。噛めば噛むほどお餅みたいw
欧州のお宿みたいな朝食に満足。してる間もなく雨音聞きながら荷造りし、レインウェアを着て、ザックにレインカバー掛けて玄関へ。「行きますか」決死の旅立ちw いや、必死のパッチ。ご主人にクルマで例のワープポイントまで送って頂きました。それがココ。午前9:00。

小さな木橋、奥に見えますか?
雨の中の登山ついに開始。登坂自体は昨日丸一日ポールを駆使して慣れましたし、レインウェアの着心地も良く雨も苦にならないですが、問題は眼鏡。杉木立と雨の湿度ですぐ曇る。1分経たずに眼鏡を拭く事の繰り返しです。急坂をクリアし、林道をゆっくり下った所に小屋を発見。トイレと休憩所。その奥に蛇形地蔵。10:30。

兎に角、初めての雨中登山、僅か1時間ですがヘトヘト。お地蔵様にも本宮まで辿り着けるようにお祈りしました。このすぐ先、本来の古道ルートと合流、小さな川を渡ると、やっぱり迂回路とは全然違う古道らしい雰囲気の路面に戻りました。森木立の中の平坦な道沿い直ぐに、本日最初のスタンプポイント、湯川王子。午前10:45。

昨日まではザックの上ポケットに押印帳を入れてましたが今日はレインカバーでバッグが使いにくい事もあり、レインウェアの胸ポケットに入れ、すぐ取り出せるようにしてましたが、そこからスタンプ台迄の数秒でも濡れますわな。
印影が滲む滲む。この先の各王子も悪戦苦闘でした。

湯川王子から先、暫く森の中の小道で、小川も流れる風情ある景色(と言っても豪雨のせいで流れは激しかったです)でしたが、次第に傾斜が出て、階段状のつづら折れの急坂に。
昨日と違い、雨のせいで足元ばかり見るので、意外と恐怖は感じませんでした。
20〜30分ほどで上がり切ったら広い舗装路に合流。その先には箱根ぽい関所風の門、その先には休憩所が。三越峠に到着です。午前11:15。

峠なので当然ですが、風も吹き抜ける高所。雨風まともに吹き込んできました。また、時刻的にも微妙に早い。ランチには。なので弁当に付けてくれてたバナナだけ食って関所の門を潜りました。
峠なので当然ですが、この先は下りw 折角ゼエゼエ上がった標高は、みるみる下がります。ただ、小さな川沿いの道なので音に癒されます。本来ならw 水量が多くて小橋を渡る度にドキドキさせられます。

正に熊野古道な風景が目の前に。
あぁ、もう少しで終わるのだなぁ。。。と思ったら自然にレンズを向けてましたね。

と、感傷に浸ってると、廃村跡の先で不粋な林道に合流w 暫く黙々と歩きます。そしてガイドマップにも載って無かった「迂回路」の文字。
なんでも古道整備に為に区切って、発心門王子の手前が通行止なのだそう。
本来なら林道から古道に下りるポイントをそのまま林道を歩く事に。コレが厄介で、臨時の迂回路だからか?通常の500m毎の表示柱も無いし、あと何キロか?も表示無し。単調な舗装路は辛い辛い。暫く舌打ちしながら歩いてると、突然出てきました。発心門王子。12:35。

ユネスコ世界遺産の石碑、認定の板もはめ込まれてます。


ココから少し坂を下り、右折すると休憩所とバス停が。やっと遅めのランチです。


ゲストハウスmuiさんのお弁当、写真を撮るのを忘れましたが、おにぎり2個に唐揚げ、卵焼き、茄子の揚げ浸し、漬物、梅干しとゴージャス。満足。いよいよラストの山里地帯、雨は降り続くものの広い空を見れると気分も上がります。軽快に下ると程なく水呑王子。午後1:30。

ココで舗装路と暫しお別れ、広い広場の奥から地道の古道区間。と言っても道幅は広いし、観光路みたい。二日間、本気の山道を経験した身、すいすい下ります。
再び舗装路になり、谷間を見下ろせる所が。
雨で霧が谷間に漂い趣ある風景をパチリ。

そして実質ラストのスタンプポイント、伏拝王子。午後2:00。

一瞬、大斎原が見えましたが直ぐ霧に隠されました。

スタンプ台の有る休憩所、直ぐ脇が工事中で写真も撮りにくい感じ。
さっさと先へ進みますと、最後の地道区間。
緩い下りが続きます。本来は、石畳、木の根の階段が観光客の散策、気軽に古道の雰囲気を味わえる区間らしいのですが、兎に角、雨のせいで水溜りだらけ。黙々と下ります。途中、三軒茶屋跡から小辺路を南下してきたツアーから逸れた四人組と共に下ります。小辺路組は流石に健脚。すいすい行くので、こっちもペースが上がってしまい、気付いたら住宅街?!
祓殿王子、そして熊野本宮大社登り裏の鳥居に着いてしまいましたw 午後3:10。

もっと感極まるかと思ったんですけどね(苦笑)。さっきの小辺路組、さらに中辺路ツアー客も居て、雨の本宮は賑やか。ポールを畳んで、慌しくお参りしました。

心に浮かぶ言葉は、やはり「有難う御座いました」。長い道のりでした。

本来の参詣とは逆に、長い長い石段を下りて振り返るとこんな風景。

さて、水害で流される前に元々神社があった大斎原も直ぐ近くですが、到着直前にサイレンも鳴ってたし、雨による増水もあるのかも?という危惧とバスの時間も気になるし、迂回路のせいで貰えなかったスタンプも必要だし、神社の道向かい、熊野本宮館に行き、大斎原への参詣はまたの機会に。どっちみち、熊野三山もいつかは巡らなきゃいけないですし、その時に。

レインウェアをしまい、荷物を片付け、バスの時刻も確認した後、心配掛けた二つの宿へ電話で無事を知らせました。

午後4:40発、紀伊田辺行の龍神バスで本宮を後にしました。所要2時間!でも退屈しませんでしたね。だって、ここまで辿った山々も見上げられますし、寄らずにスルーした湯ノ峰温泉も通過しますし。
途中、近露では10分の休憩も。

2枚目の写真、わかります?
肌色の土の部分、昨日撮った近露の風景を撮った展望台です。

午後6:50紀伊田辺駅到着。
くろしお発車までの1時間、駅から近いお蕎麦屋さんで、天ぷら親子丼なるお得な晩飯を頂きました。

くろしおは、またまたパンダくろしお。
途中、日根野では回送のパンダくろしおと並ぶ場面も。

帰路まで楽しい三日間でした。

何より、これまで5ヶ月に渡って歩いてきた(今朝のワープは雨というハンデもあったのでチャラって事でw)道のりをバスと特急、計4時間で戻りつつ振り返るのは、感慨深いものでした。そして地下鉄を下りた谷六の駅から歩き出したら。。。

そう。この旅のきっかけだった、大阪市が立てた熊野街道の石碑。自分の住む街と、遥か紀州の山の向こう、本宮がひとつの道で繋がっている事実を自分の足で確かめた実感を、心の中でじんわり浸りながら帰宅したのでした。
っていうか、コレ書きながら山盛りの洗濯しながら、気付けばもう夜中。はよ寝なw

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