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紅白・ガキ使・ももいろ~大晦日3本

あけましておめでとうございます。
2021年初投稿となります。
昨日は近所の神社へ初詣に出かけました。お蔭様で2年連続一発ドンで「大吉」のおみくじをゲットしまして幸先よい新年となりました。
昨年は停波・閉局、それに伴う引越しという大波を受けましたが、今年こそは関西で良いお仕事をゲットできるよう色々頑張りたいと思います。
関係各者の皆様、お力添え頂ければ幸いです。

さて、物書きの力が鈍らないように始めたNote、新年最初の記事は…毎年大晦日にウォッチングしている3本について印象をしたためたいと思います。
毎年、年越し特番(細かく言えば年越しクラシック特番直後のおバカ番組)の仕事が有ったり無かったりするので、それに伴い生で見たり録画してチェックしたり…していましたが、今回は、全くその恐れなく3番組を並列でチェックしながら過ごせました。
一応、TVで録画できる「紅白」と「ガキ使」はW録画しつつ、2画面で映像を映し、「ももいろ歌合戦」はAbemaTVをiPadで生視聴していました。

■ももいろ歌合戦

2012年から3年連続「紅白」出場していたももいろクローバーZは、2015年落選、物議を醸したチーフマネージャーkwkm(川上)氏の”紅白卒業”発言と共に独自に年越しイベントを始めました。その3年目:2017年に始まったのが「ももいろ歌合戦」。今回で4度目を迎えました。一応、紅白2チームに分かれつつ男女ではなく、混合であるのも特徴。何よりも大きいのは、通常TV披露では1曲1コーラス半のところ、全出場者フルコーラス歌唱出来るということ。本人・ファン・視聴者トリプルウィンです。
1つの局が軸になるスタイルは取らず、MCZ側で仕切り、地上波・衛星・配信各メディアがそれぞれ乗っかって中継を放送する…というのも特徴。
フルで配信するのがAbemaTV。他は各社飛び乗りではあるものの、衛星はBS日テレ、地上波はテレ玉を始めとする独立UHF各局、ラジオはニッポン放送…という珍しい体制でした。(今回はAbema、BS日テレ、ニッポン放送が中継)
当初、芸人のお笑い枠等を挟む事も有りましたが…今は本家”紅白”同様、歌唱披露中心で展開、年越し前に紅白勝利チーム発表の後、MCZのライブへ移り、年越しの瞬間はリーダー百田さんの”エビぞり”で迎えるというのがお決まりです。

コロナ禍の中の今回は初の無観客となりましたが、出場タレントは過去最多。会場も品川プリンスホテル飛天の間を使い、大広間をフルに活用してステージを大きく取りレイアウト。これ迄に無く立体的に見せてくれました。
そもそも大晦日の芸能人、主要な”売れっ子”は紅白に取られる訳で、過去3回も、正直視聴率に直接繋がるようなタレントが出る訳では無かったのですが、アイデア駆使で楽しませる工夫をしてきました。何よりも、誰彼無く丁寧に接する4人の人柄が功を奏しているのでしょう、毎回出場してくれるタレントが多いのも特徴で、中には驚くような大物も登場します。
開会宣言は…前回は吉永小百合、今回は舘ひろしがつとめました。
トップには木梨憲武、中盤には河村隆一とHYDE、後半は広瀬香美…が初出場。気志團やファンキー加藤、森口博子、西川貴教、田中将大、さだまさし、NOKKO、泉谷しげる、松崎しげるなどは…彼女たちとのお付き合いが成し得た常連キャスティング。
元々MCZファン:モノノフは年齢層が幅広いのが特徴ですが、自然と素直に構成したら、それが”本来の”紅白的カラーになります。総合演出の佐々木敦規氏も10年彼女たちと培ってきた”そのまま”を増幅したらこうなったんでしょう。昭和歌謡、JPOP、アイドル、ROCK…自然と幅広い内容になっています。残念なのが”今年のヒット”を本人に歌ってもらえない事(紅白が有りますから)ですが、そこも、4人のメンバーや出場歌手たちがカバーしたり、特集コーナー化する事で”魅せる”工夫がされていました。
何よりも、無観客だからこそ、飛天だからこそのゴージャス感を醸し出せたのが、怪我の功名…いや、常々”壁”をアイデアで超えてきたMCZチームだからこそ難なく魅せる事が出来た8時間だったでしょう。

■笑ってはいけない大貧民 Go To ラスベガス

「ももいろ~」をBSで放送した日テレが地上波で放送したのが毎年恒例「ガキ使」特番。例年、予想外の人気タレントが”刺客”となってガキ使レギュラーメンバーたちを笑わせるという長尺お笑いバラエティです。

今回、コロナ禍の影響をモロに受けた番組と言えそうな劣化でした。
普段通り冒頭の”通勤バス”ネタはあったものの、通常クレーンカメラを使って外観を広く見せるロケ地はCG処理で対応しロケ地内部のみを映すスタイルを取った為、この番組らしいダイナミックさが薄れてしまいました。
また、各セットの数も減り、同じ場所をセット内部を模様替えした上で繰り返し活用。お馴染み”鬼ごっこ”企画も無い為、展開の立体感が薄れました。
何よりも、過去の名場面を使ったクイズを織り込んだ為、普通のバラエティを見させられたような残念な時間帯も長かったです。

中堅・ベテランタレントによる体を張った”無茶”勝負コーナーも”第7世代”ゲームコーナーに取って代わったのも残念。リアルなロケ地では無かったからか、後半の目玉”肝だめし”枠も無く、疲労困憊で早朝帰ってゆくというエンディングも無く終了してしまいました。

菅野美穂や松平健の頑張りも有り、前半はインパクトがあったのに、どんどん”尻すぼみ”の構成になった事は残念です。

■紅白歌合戦

もともと量も質も豊富なNHK村ですから、始まる前からコロナ禍の影響はそれほど心配ないと予想していましたが、その通りで、難なくクオリティをキープ出来ていたと思います。

勝負が成功したのは紅白両キャプテン。
そもそも大泉洋は、達者な人で、大学生時代”水曜どうでしょう”出演時より、子供の頃からのテレビっ子だった面が上手く活かされ、昭和時代からの芸能カラーにも詳しく、年齢層に関わらず対応出来る”しゃべくり”巧者でした。今回も、ほどほどに”おどけ”ながら淀みなく進行出来て、メインの内ちゃんを負かす事もないバランスの良さを出していました。
意外だったのが二階堂ふみ。役者としての上手さは分かっていましたが、MC力も見事でした。3人のバランスをキープしつつ、会場の様子や進行を客観的に見て対応出来る総合力を持っている人でした。
何よりも終始パンツスタイルで美しさを魅せ、華やかでありながらスマートである、そして、主役である歌手から一歩引いて出しゃばらない姿勢には脱帽です。

さて、全体的な構成ですが…
無難にまとめた感が気になりました。
コロナ禍で”密”を避ける=ステージを分散させる…ということで、NHKホールをメインにしつつ、Aスタとオケスタという3会場を駆使して構成。お陰で密は避ける事は出来ましたが、逆に、民放長尺歌番組の豪華版を見ている感じになってしまいました。
あと…ここ数年(特に2011年以降)気になっていたのが”大変な今だからこそ音楽が大事”的な意味付け演出が強くなってしまっていること。
単に1年の締めくくりを音楽で振り返り盛り上がる!という本来の紅白の趣旨を無理矢理大きくしてしまった為に、重さがより重く感じるようになってしまっています。
また、芸能界ならではの”しがらみ”が、本当の”その年の総決算”色を薄めてしまっている…。レコ大の凋落がそうであるように、紅白も今や「ただの歌番組の豪華版」でしか無くなっている…そんな気がします。
「巨人は常に巨人であり続けなければならない」呪縛と同様の”大きな足枷”が影響しているのでしょう。

あらゆる世界が影響を受けた2020年のコロナ禍、大晦日の3番組もその影響を”モロ”に受けたと思います。その中で、どれだけ”遊び心”でチャレンジ出来たか?の結果が、それぞれ分かれたように感じました。
「ももいろ歌合戦」の終盤、泉谷しげるが「春夏秋冬」の後半で「歌わなくたっていい」とマイクから離れて…ささやくように唄っていた「今日で全てが終わるさ、今日で全てが変わる、今日で全てが報われる、今日で全てが始まるさ」。昨年迄は客席の”モノノフ”たちを煽って合唱させたパートです。
しんとした広い飛天の中、マイクが僅かに拾う声とアコギの音だけが響きました。でも、全国の視聴者がそれぞれに心の中、いやそれぞれの家で各々で声を出して唄う姿が想像できる場面でした。
大上段にMCしなくても、そんな一瞬だけで心に響く、2020年1年を振り返り「新年こそは!」と思える…名シーンだったと思います。

音楽とはどういうものなのか、お笑いとはどうあるべきか?などと語るつもりは無いけれど、大晦日・年越しの持つ意味を考えさせられた2020年12月31日の夜でした。
(了)

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